時評

プリゴジンくんの想い出を語るプーチン

Executive Summary 8/23あたりに起きた、ワグネルグループのプリゴジン粛清不慮の死をめぐるプーチンコメント。思わせぶりな部分もあるが、現時点では単なる事実確認。ただ雰囲気としては、ウクライナ/悪の西側による殺害、ということにしたい感じが漂ってい…

6/26 プリゴジンの乱に対するプーチン弁解の見方

Executive Summary 6/24プリゴジンの乱についてプーチンが6/26に出した玉音放送は、プーチンが今回の騒乱で何を気にしているかがうかがえる。ワグネルがほとんど何の抵抗もなしにモスクワの手前に到達できたし、また一部では歓迎すらされたというのを大変気…

再びロシア国民に向けて:プリゴジンの乱の弁解 (6/26)

Executive Summary 2023年6月24日に起きた、傭兵団ワグネルグループによる反乱、通称プリゴジンの乱が治まった後の、プーチン大統領玉音放送。社会の団結のおかげで危機を切り抜けられた、これはロシアの分断を図る外部の連中の仕業、その首謀者はすべてわか…

2023年6月 アフリカ代表団とプーチン大統領との会合

Executive Summary 2023年6月、アフリカ連合を筆頭に、アフリカ大陸代表として7ヶ国で構成される代表団が、ウクライナとロシアを訪問。ウクライナ侵略により生じた食糧危機とエネルギー危機でアフリカが苦境に陥っているので、平和を目指す対話路線をプーチ…

プーチン論説集の低アクセスにがっかり、それとマクロン

数日前に、プーチンの大統領就任からウクライナ侵略までの各種重要な演説や論説、記者会見の公式記録を集めで訳したものを作って、大統領任期毎に分析もいれたんだけれど、反応がなんか鈍いなと思ったところ、ページのアクセス数が三日ほどで2000件。 ……アク…

プーチン「新千年紀を迎えるロシア」(1999)

Executive Summary 1999年大晦日、プーチンの大統領代行就任直前に発表された、ロシアの今後の政策についての概要文書。ソ連崩壊とその後改革による経済的な低迷と社会的な混乱を描き、自由と民主主義に基づきつつも、ロシア的な国家重視を維持した体制の強…

プーチン「ミュンヘン安全保障政策会議での演説」(2007)

2007年のミュンヘン安全保障政策会議でウラジーミル・プーチンが、それまでの西側への順応的な態度をかなぐりすてて、アメリカをおおっぴらに罵倒し、もうおまえらの一極世界は終わりで、アメリカなんかもうオワコン、オレはもう好きにするぜ、と宣言した有…

ノーベル経済学賞 2023−2028年トトカルチョ

2022年ノーベル経済学賞は、バーナンキ、ダイアモンド、ダイブヴィグ (ディブヴィグ? 字面でしか見たことないので読みをよく知らない) に決定した。金融・銀行系ね。 そういえば、むかしの自分の予想でもバーナンキは入れていたなあ、と思って昔のエントリ…

プーチン本その3:『オリバー・ストーン オン プーチン』:ストーンが頼まれもしない反米提灯かつぎをする情けない本/映画

Executive Summary 『オリバー・ストーン オン プーチン』(文藝春秋、2018) は、同名のプーチン連続インタビューシリーズの文字版。2015-2017という、プーチンやロシアをめぐる各種の大きな事件が次々に起きた時代で、本当であればまたとない情報源となれた…

プーチン本その2:プーチンご自身『プーチン、自らを語る』:基本文献。ストレートで明解なインタビュー集

Executive Summary プーチン他『プーチン、自らを語る』(扶桑社、2000) は、突然ロシア大統領になってどこの馬の骨ともわからなかったプーチンが、生い立ちから大統領としての問題意識までを率直に語ったインタビュー集。幼少期の記述などはこれがほとんど唯…

プーチン本その1:朝日新聞『プーチンの実像』:ゴシップに終始して最後はプーチンの走狗と化す危険な本

Executive Summary 朝日新聞『プーチンの実像』(朝日新聞社、2015/2019) は、日本のぶら下がり取材的にプーチンが日本や自分たちと行った会見やその周辺人物のインタビューをあれこれ行っているが、明確な視点がないために、それが単なるゴシップのパパラッ…

ロシアの攻勢と新世界の到来 (2022/02/26): 侵略成功時のロシアの予定稿 全訳

訳者まえがき まちがって公開されたとおぼしき、ロシアがウクライナ征服に成功していた場合のロシア国営通信 RIA予定稿の全訳。すぐに引っ込められたが、Wayback Machineにしっかり捕捉されていた。すごい代物。いくらでも言いたいことはあるが、読めば多く…

ナオミ・ウルフ (博士) の……凋落なのか元からそうだったのか……

Executive Summary 2021年10月に、ナオミ・ウルフのツイッターアカウントが垢バンをくらった。コロナ陰謀論とワクチン否定論の最も低級な代物をバラマキ続けたせいだが、それ以前からナオミ・ウルフはどんどんおかしくなっていた。 もともと主著『美の陰謀』…

コロナなんかどうでもいいから石岡瑛子展に行きなさい。

Executive Summary この展覧会を前にしてどうでもよくないと思う人は、豚に真珠もいいとこだから観に行かないほうがいいよ。 はじめに 先日、無料券をもらったので石岡瑛子展にでかけてきたのです。 www.mot-art-museum.jp ぼくは石岡瑛子は昔からとても好き…

レッシグ新刊で知ったアメリカ政治二極化の力学

久しぶりにレッシグの翻訳をしているんだけれど、なかなかおもしろい(部分もある)。 かつてのインターネット法や著作権法からレッシグの関心は大きく逸れて、ここしばらくのレッシグの本は、アメリカの選挙献金制度の改革がテーマになっていた。何度か、翻訳…

「平成の30冊」への山形の投票

朝日新聞が、「平成の30冊」なる企画をするのでアンケートをされた。回答すると、図書カード3000円だそうで。3000円だとあまり深く考える気も起きないし、また山形の選評とかがどこかに載るわけではなく、トップ30を選ぶために集計されるだけなんだよね。 通…

エゴサーチ: 富岡日記とSF業界の後編 redux

二年ほど前に、「エゴサーチ: 富岡日記とSF業界の後編」というエントリーを書いた。 cruel.hatenablog.com さて、これは実は、もっと長いモノを書いていたんだけれど、それを査読してもらった人に、こんなものを公開してもだれも喜ばないと言われて、ひっこ…

朝日新聞ってホントに北朝鮮&中国の手先かもしれないと思ってしまう記事。

朝日の一面見て、卒倒しそうになった。ジョンイルくんが死んで、なんと金正男礼賛??!! 「自由人」? 「世界をよく知り」? 正男が? 国を預かる気になれないのは、単に遊んでたいからだけでしょ。さらにジョンイルが「拉致問題でも『主犯』の疑いがぬぐ…