Thomas Pynchon Against the Day あらすじ 4

Against the Day

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第二章 Iceland Spar

北極に出た Inconvenience号は、船長ランドルフの仇敵であるロシアのボルシャイア・イグラ号と遭遇。こちらの船長はイゴールパジトノフで、Chum of Chance のライバル組織もセントペテルスブルグにあるトヴァリシュチ・スルチャイニというものだが、得たいのしれないいたずらをあちこちで仕掛けることで有名。かれらの情報では光磁気観測国際機関が非常地帯を近郊に宣言したとのこと。目的としていたヴォルマンス隊は、逆風のためもあってタッチの差でのがし続けている。

さてその隊ののったエチエンヌ・ルイ・マル号は、方解石(Iceland spar, 正しくは氷州石で方解石の中でもすごくクリアなやつなんだとか) ではじめて光の偏光を発見した人物にちなんで命名されている。そして大量のアンテナを備えてアイスランドの沿岸を北上中だがその目的は不明。地元の伝承に連なる画家ハンターがヴォルマンス隊に加わる。実はこのヴォルマンス隊の資金を出しているのは、前に出てきたウォール街の資本家ヴァイブなのだった。かれの狙いは、表向きはライバルによる、シベリア鉄道延伸とベーリング海峡横断鉄道計画の可能性について情報収集すること、とのことだが、なにやらそれだけではない模様。他にも四元数主義者 (Quaternionists) が徘徊して「時間の流れと直角に進路を取る」云々と意味不明なことを唱えている。四元数ではz平面上の直線がw平面上の円になるので、直線的な時間の流れが円環的な時間に変換できるとかなんとか。そしてまたアイスランドは、方解石(Iceland spar) の産地でもあるため、複数の位相の世界が凝集した場でもありそれが方解石の中に捕らえられているのであり、その中にこの世界の時間と直行する時間の世界があるとかないとか。


さてやっとInconvenience 号はエチエンヌ・ルイ・マル号においつき、その頭上に停船し、危険だからその場を離れるよううながす。マル号の設営地こそが非常地帯宣言の出た地域の中心だが、それは氷原からつきだす異様に幾何学的な形の山で、船内の各種電気機器が異様な動きを見せ始める。「エーテル脈動だ!」Inconvenience号の分析光線で根本を照らしてみると、変な顔をした怪しい存在がその中にいるようだ。エスキモーたちはそれを怖がり、さっさと消えてくれというし、変な「二重存在」(二つの場所に同時にいられる能力を持つ)のマギャカンが氷原を歩いてきて変な警告を発したり。ヴォルマンス隊は言うことをきかずに調査を続け、Inconvenience 号はあきらめてその場を離れる。

ヴォルマンス隊はその山の変な存在を掘り出して船に積むが、ヘマをして落としかけても不思議な力で難を逃れたりと、物体は変な力を発揮する。そしてそれを積んで近くの港に入港するが、そこでその物体の一部が逃れたらしく、それを見た人は発狂、そしてその物体はニューヨークに猛火を引き起こし、都市は大パニックに陥る。ヴォルマンス隊は自分たちの持ち帰ったのが隕石だと考えていたが、それは何やら古代からの意識を持った存在であり、隊を催眠術にかけて隕石のふりをしていたらしい*1


(つづく)



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*1:むちゃくちゃですがな。なんだか頭痛がすごく痛いんですけど。