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山崎『瓦が語る日本史』:瓦のマニアックな話だが、そこからこれだけのものがよみとれるとは!

朝日新聞書評

瓦が語る日本史―中世寺院から近世城郭まで

瓦が語る日本史―中世寺院から近世城郭まで

瓦なんて似たり寄ったりと思ったら大間違い。東大寺法隆寺の修復だけ見てもいろんな地方の瓦があって、それが当時の物質流通をも物語る! さらに、製法ばかりか瓦職人がいろいろコッソリ落書き(ヘラ書き)していて、そこから職人の個性や勢力、家系までわかり、さらに同じ建物で使われた瓦の出自から、職人集団の活動まで読み取れてしまうとか。
マニアックな世界を描きつつ、瓦にそこまで奥深い世界があったのかと感心させられる。文明論じみたお説教もなく、瓦だけに注目。職人の中でもだれが落書きできるかという力関係があったが、やがて瓦製造と瓦葺き作業の分業と合理化に伴いそうした楽しい落書きも廃れたとか、パソコンソフトの隠し機能の歴史にも通じる物作りの発展段階がここにも見られる。著者の瓦研究は本書で打ち止めとのことで残念だが、興味がある向きは、古代瓦についての同著者の本も興味深いはず。(掲載 2012/7/29, 朝日新聞ページ



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