祝:「経済思想の歴史」オリジナルサイト復活!


昔、New School of Social Study にあった「経済思想の歴史」オリジナルサイトが復活した。すばらしい!

かなり充実したサイトで、経済学の名士録と各種経済思想/学派の紹介、加えて重要な思想の展開と、きわめてバランスの取れた記述。いまはウィキペディアがあるので昔ほどのありがたみはないけれど、経済学に特化したものという点ではいまだに価値があると思う。おもしろかったし勉強になったので、勝手に翻訳していたんだが……

http://cruel.org/econthought/

しばらくしたら、オリジナルのサイトが同じサーバ内で引っ越し、そして気がつくと完全に消えていた。翻訳もまだ1/3くらいしかすんでいないから、ぼくのサイトにかなりオリジナルが残っていて、一時はぼくのところしかこのサイトの名残がなくなり、各種の問い合わせがしょっちゅうぼくのほうにくるようになってちょっと困っていた。著者のフォンセカ氏に連絡もとれなかったし。

昨日、ハーバードのスティーブン・マーグリンから直々にお問い合わせがあり、うひゃあと思って何とかしようと、一時期いっしょにあのサイトのメンテをやっていたリアン・アッシャーのほうを探し出して、連絡とれないかと尋ねてみたら、その手の話がいくつかあるからつつく、とのこと。マーグリンもつつくと言っていたので、たぶんこの両者からのアレが効いたのか、本日無事復活。

http://www.hetwebsite.org/het/

せっかくドメイン取ったんなら、下位にhetなんていうディレクトリつくらずトップ直下におけばいいのに、と思うんだがまあ仕方ない。翻訳も徐々に進めていきますので。(なお、ぼくのサイトからのリンクも修正済み)

追記

wikipedia ではこのサイトの内容を補えないというのは、たとえば以下のイブン・ハルドゥーンの項目を参照。

イブン・ハルドゥーン@wikipedia

イブン・ハルドゥーン@経済思想の歴史

wikipedia は、何をしたという歴史的な行動については詳しい。でも、その思想の中身についてはまったく触れない。経済思想の歴史の中でイブン・ハルドゥーンの意義を理解するためには、その著作の中身に入って、いま重要とされる経済学的な概念をイブン・ハルドゥーンがどう捉えていたかを記述する必要がある。経済思想の歴史は、それをちゃんとやってくれるのがありがたい。wikipedia英語版はもう少し踏み込んでいるようにも思うんだけれどね。



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