Scienceの早野活動記事コメント:ホントいろんな人がいるなあ。

昨日訳した早野龍五活動に関する記事の本国版に、コメントがついている。

http://comments.sciencemag.org/content/10.1126/science.340.6133.678

一つはぼくのもので、昨日の訳者コメントとほぼ同内容。でももう一つは、まあ例によって例のごとしの代物。

Naoyuki Takamotsu
In Japan, Hayano is criticized because of his political behavior. On 2011.3.11, Hayano retweeted Yoshiyuki Mizuno's tweet "I cannot understand the opinion that there is a possibility of meltdown" on his twitter account. And on 2011.3.22, Hayano said "Let's take a wet spring rain" on twitter. This tweet is deleted by Hayano later. Also he introduced the article of Forbes misinforming that LNT model was denied by UNSCEAR. Hayano insisted that urine test is undesirable, and sticked to only inspection by the WBC. He went the lobbying and suggested Project HAYANO to the government. In this project, he claimed that litigation is a barren and that the compensation cost should be reduced. About this WBC paper, in Japan, Hayano himself misled people by saying "Health effects will never occur in this value" on weekly diamond magazine. In this way, Hayano is considered to act not as a scientist, but as a political player.

なおゆき・たかもつ

日本では、早野はその政治的ふるまいのために批判されている。2011.3.11に、早野は水野義之による「メルトダウンの可能性があるという意見は理解できない」というツイートをリツイートした。2011.3.22 には、早野はツイッターで「濡れた春雨を取ろう(訳注:意味不明。このツイートのことらしいが、消されていない)」と言った。このツイートは後に早野に消された。またかれはLNTモデルがUNSCEARに否定されたと誤報するForbesの記事を紹介した。早野は尿検査は望ましくないと固執し、WBCによる検査だけにこだわった。ロビイングをして、プロジェクト早野を政府に示唆した。このプロジェクトでかれは、訴訟はある不毛だと主張し、補償費を減らすべきだと主張した。このWBC論文について言えば、早野自身が人々に対し週刊ダイヤモンド誌の記事で「この数値では健康への影響は決して起きない」と述べて人々に誤解させた。このように、早野は科学者として行動しているのではなく、政治的プレーヤーとして行動していると考えられている。

Whoa, color me politicized. No comment. が、いろんな人がいるもんだねー。

ちなみに、文中で言っている Forbes の誤報というのは、たぶんこれのこと:

http://www.forbes.com/sites/jamesconca/2013/01/11/like-weve-been-saying-radiation-is-not-a-big-deal/

で、文中でリンクされている報告書で UNSCEARは

「科学コミュニティは、自然背景水準以下の incremental な線量に被曝した人工の放射線による健康への影響を推計するにあたり、低線量を大量の人口に乗算することは推奨しない」

と書いている。Forbes コラムは、だから LNT は自然放射線の水準以下では適用できないということだね、と述べている。誤報を主張する人々は、「推奨しない」は「適用できない」とはちがう、ということで歪曲だ誤報だ、そもそも国連自体が体制派の手先だ、ということの模様。タレコミによると、確かにこのForbes 記事自体は感心しないかなりダメなものだったということ。



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