Shavu, or Breaking Bad: 東アフリカ-->日本ルートが熱いそうな。

年度があけてやっと余裕ができたので、手元に貯まっていた雑誌をみていたんだけれど、おもしろかったのが Jane's Intelligence Review 2014/11 の "Crystal Maze" なる記事。

メタンフェタミン系の覚醒剤は昔から世界中で使われていて、日本でも「シャブ」が覚醒剤ですな。で、いま世界でメタンフェタミン系ドラッグ (Amphetamine-type stimulants, 略して ATS と呼ぶそうな) の需要が高まっているのはアジア。アメリカでは、Breaking Bad を見ているとなんだかすごい市場がありそうに思えるんだけど、実はすでに悪評が高まり、あまり市場拡大が見込めないんだって。これに対してアジアはあんまり抵抗がない。日本のシャブ、中国のヤーバーとか、いままでやたらに低質なものしか出回っておらず、記事でも「どうしてアジアではもっとまともなメタンフェタミンを作ろうとする連中が出てこないのか不思議」と指摘されている。

これまた Breaking Bad でも分かるとおり(ってドラマを真に受けていいのか知らないが)、クリスタル・メスの合成はそんなに難しいものではないそうで(ぼくはできないし、高校の化学の先生にできるかも知らんけど)、いま生産の拠点として2009年以来急拡大しているのが東アフリカ。そして、その主要な市場が日本。日本は需要もあり、価格も高い(タイの末端価格の3-4倍とか)。2014年には東アフリカ発で押収されたメタンフェタミンのうち、82%は日本向け、6%がドイツ向けだそうな。

うーむ、アフリカから日本へは資源輸出や農産物ばかりで工業製品がなかなかないのが悩みの種だけれど、意外なところに突破口があったんですね!! でもホント、なんでアフリカなんだろう。これについてはこの記事でもよくわからない。現地でもそれなりに市場ができているらしいんだけど……

あともう一つは、メキシコ発でカナダ経由で日本に入ってくるメタンフェタミンのルートが大きいんだそうな。ふーん。さらに、中東、特にイランでメタンフェタミンの生産が急増していて、またレバノンや、特にシリアが一大拠点になっているらしい。これが政府と反政府組織両方の資金源になっているとか。紛争に乗じて出し入れが容易になっているから、だって。ちなみにここらのエクスタシーはたいがいメタンフェタミン入りとのこと。ふーん。

いや、それがどうしたというわけではなく、なんかおもしろかったもので。そういえば、Breaking Bad はシーズン1しか見ていないので、続きを見ないと……