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フォン=ノイマン『計算機と脳』:本題に入る前に著者が他界……

計算機と脳 (ちくま学芸文庫)

計算機と脳 (ちくま学芸文庫)

あのフォン=ノイマンが、死ぬまで書いていた講演の原稿。デジタルコンピュータ(というのは、当時はフォン=ノイマンたちが作ったENIACくらいしかないも同然だった)の性質を考え、そして脳の構造(神経細胞の仕組みとその組み合わせによる統計的な計算方法)を考え、脳の神経細胞はデジタルに比べれば物凄く遅いのになぜ計算機以上の処理能力があるのかをちょっと考え、でも脳もデジタル計算機と類似の原理があるはずで、したがって脳そのもののプログラミング言語(コード)があるはず、というすごい発想を書き……そこでノイマンは他界してしまった。

だから、本当にもう、前置きを一通り書いて、これからというところで本書は終わってしまう。チャーチランド夫妻による長い序文と、野崎昭祐による長いあとがき/解説があるけれど、そもそもの本文が短いので、それをほぼそのまま繰り返す以上のことはできていない(仕方ないよね)。だから特筆すべき知見は書かれていない。

ホント、この脳のプログラミング言語という発想をノイマンがどう展開させたのかは、是非知りたいところだよなー。残念です。本としては、フォン=ノイマンにすごく興味があればどうぞ。