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Amazon救済 2014-2016年分

ブエノスアイレス摂氏零度』: ブエノスアイレス 撮影秘話、別ストーリーに別エンディング!この値段ならファンは必見, 2016/6/19

久々に映画館で見たので、懐かしくて検索しているうちに出くわしました。王家衛監督『ブエノスアイレス』のメイキングで、非常によくできています。主軸は関係者(現地の手配担当など)との関わりですが、映画のファンにたまらないのは、使われなかったトニーレオンの自殺シーン、はるばる呼び寄せられたのに、最終的な作品にはまったく登場しなかったシャーリー・クワンの場面、チャン・チェントニーレオンといっしょにレストラン厨房で働いていた野球帽の青年)の登場する他の大量のシーンなど。トニーレオンは、当初は最後にシャーリー・クワンといっしょにイグアスの滝にいくような撮影になっていたんですねー。王家衛自身の様々なコメント、トニーレオンとレスリーチャンのタンゴのレッスンも非常にいいと思うので、是非是非!

U字水道管: 問題なし。なお、パッキンもついていますので、別に買う必要なし!, 2016/6/3

流しの排水管が避けていて、いつの間にか水漏れするようになっていたので交換しました。素人でも簡単にできます。なお、両側のパッキンもついてきます。アマゾンだと、一緒に買うようおすすめで出てきますが、必要ありません。今後買う人のご参考まで。

『ダイヤモンド ピケティ特集』: 奥谷禮子コメントを見逃すな! ピケティに対抗して大化の改新まで遡る偉業! 2015/2/10

そろそろピケティ特集も、本体の解説は食傷気味なのか、このダイヤモンドではむしろ周辺の人々の反応を中心に載せております。とはいっても、他でも見かけた似たようなメンツも多く、いまいち新味が出せていない……と惰性でページをめくるなかで行き当たった衝撃のピケティ評が、p.51 の奥谷禮子によるコメント! こいつはすごい。日本で格差が出たのは若者の責任感がないからだとか、企業はでたらめな労務管理はできないといった次の文で、でも健康管理は労働者の自己責任だと言い放つ。この短さでここまで支離滅裂なのは、一種の曲芸ともいうべき技でクラクラします。2千年前から r と g を示したピケティに対抗し、大化の改新までさかのぼった、歴史性の豊かさも衝撃です。他もたかが半ページにつっこみどころ満載で、突っ込み密度は最早ブラックホール級。逃げられません。ダイヤモンドは、これを計算ずくで載せているとしたら、すばらしい策士ぶり。ここのところは必読!  でも半ページなので立ち読みでもいいかな。

前半はまあまあですが、受け売りの際にはご注意を。, 2014/12/16

ピケティ入門 (『21世紀の資本』の読み方)

ピケティ入門 (『21世紀の資本』の読み方)

前半のピケティ『21世紀の資本』のあらすじ説明は、まあまあ普通です。ただ、有名な r > g の式に出てくる r をガンマだと思っていて、読み仮名つきで γ (ガンマ) とやってしまうという (p.21) 、この分野の基礎知識の欠如が出ています。受け売りする際には十分に注意してください。

後半はそれを日本に適用し、アベノミクス「批判」をしています。が、常に全体的な傾向をきちんと把握せず、個別の事例や細かい政策だけをとりあげて文句を言うという不適切な議論が展開されます。第3章では、カルロス・ゴーンが高給取りだ、高給取りが増えたというのにケチをつけますが、そりゃ金持ちはいるでしょう。でもそれが経済の中でどういうシェアを占めるのか考えなくては話になりません。また4章以降のアベノミクス批判は、通常言われるアベノミクスの大枠(三本の矢というやつ)はほとんど無視して、被災地の女性就業策が弱いとか、労働の規制緩和がダメとか、個別の政策についての論難に終始。それも、きちんと政策評価しているのではなく、著者の印象を挙げただけです。賛同できる部分も多少はありますが、政策批判としてはお話にならないレベルです。。で、ピケティがそれにどう関係してくるかというと……関係しません。格差が大きな問題だと言っている、という入り口の話だけであとはまったく出てこない。ピケティはそういう個別政策にまで入り込んだ議論をしてないから当然なんですが。

冒頭の記述によると、編集部に本書を書けと言われるまでピケティを読んだこともなかったとか。解説を書かせるなら、多少はピケティが関心領域に入っていて基礎知識のある人にやらせたほうがよかったのではないかと。おすすめはしませんが、前半のアンチョコ部分は、まあまちがってはおりません。

2015.1.23追記:本日書店で見た第六版では、上の γ(ガンマ)は r になおっていました。まちがいを直すのはよいことです。

アレクサンダー『形の合成/都市はツリー』: アレクサンダーの入手しにくい著作をまとめてくれて感謝。でもこの変な本文の組み方は?, 2014/2/26

形の合成に関するノート/都市はツリーではない (SD選書)

形の合成に関するノート/都市はツリーではない (SD選書)

ずいぶん昔に出て、長いこと入手しにくかった「形の合成に関するノート」。アレクサンダーが、いまのような宗教がかった話に入り込まず、理論的な機能造形の構築手法を考えていた時代の本で、パタンランゲージの各種要素組み合わせによる建築のアイデアの萌芽が見られ、なかなかおもしろい。またあわせて収録されている「都市はツリーではない」は、形の合成でのアプローチをいわば否定して、もっと複雑で階層化されないものとしての都市を考え始めた有名な論文。なかなか手にいれにくかったので、こうしてどちらも読みやすくなったのはすばらしい。のだが……

本のつくりが異様。本の下の余白がまったくなくて、ページぎりぎりまで字が迫っていてびっくり。なんだか、「形の合成」を改めて組み直すさずに、昔の版を無理矢理この判型に押し込めたような感じになっている。なぜこんなことに?

ある意味でこの二冊とも、手に取る人の大半はアレクサンダーに興味があって、その考え方の変遷をたどりたいと思っているのではないかと思う。その意味で、ちょっとマニアックな本なのであまりきれいに本として作り直す手間をかけたくなかったということだろうか。でも、一部(たとえばこの評者)は、この頃のアレクサンダーが持っていた可能性のほうがおもしろいと思っているので、もう少し読みやすさとか本としての作りに配慮してくれてもよかったように思う。