2013-03-01から1ヶ月間の記事一覧

鈴木『なめらかな社会とその敵』ヒース『ルールに従う』:社会の背後にある細かい仕組みへの無配慮/配慮について、あるいはツイッターでなめ敵とかいって喜んでる連中はしょせんファシズム翼賛予備軍でしかないこと

なめらかな社会とその敵作者:鈴木 健発売日: 2013/01/28メディア: 単行本 未来のための社会像? 『なめらかな社会とその敵』の想定読者は三百年後の未来人。そこからすれば評者は未開の土人だ。しかしその未開人にも、謙虚な筆致に隠れた著者の熱意と意気込…

鈴木『なめらかな社会とその敵』&ヒース『ルールに従う』:社会の背後にある細かい仕組みや前提を明らかにする野心的な試み…… but you ain't see nuthin' yet.

なめらかな社会とその敵作者: 鈴木健出版社/メーカー: 勁草書房発売日: 2013/01/28メディア: 単行本購入: 8人 クリック: 299回この商品を含むブログ (47件) を見るルールに従う―社会科学の規範理論序説 (叢書《制度を考える》)作者: ジョセフ・ヒース,瀧澤弘…

ブッシュ『as we may think』

コンピュータの古典文献シリーズ。名前は何度も聴いたことがあったが、実物を読んだことはなかったので、見つけたついでに訳してみました。ハイパーテキストの概念を最初期に提案した文章として有名。ものすごくアナログで古くさい部分(トランジスタもテー…

フレクスナー『役立たずな知識の有用性』

チューリングの大聖堂: コンピュータの創造とデジタル世界の到来作者: ジョージ・ダイソン,吉田三知世出版社/メーカー: 早川書房発売日: 2013/02/22メディア: 単行本 クリック: 161回この商品を含むブログ (20件) を見るコンピュータの基礎を作った高等研究…

カヴァン『アサイラム・ピース』:感傷的ながらドライさをもたらす、囚人と看守の共犯関係とその諦念。

アサイラム・ピース作者: アンナ・カヴァン,山田和子出版社/メーカー: 国書刊行会発売日: 2013/01/22メディア: 単行本購入: 3人 クリック: 410回この商品を含むブログ (30件) を見るアンナ・カヴァンの作品は、しばしばカフカ的だと評される。抽象的で正体不…

マラテール『生命起源論の科学哲学』:すばらしい。創発批判本!

生命起源論の科学哲学―― 創発か、還元的説明か作者: クリストフ・マラテール,佐藤直樹出版社/メーカー: みすず書房発売日: 2013/01/19メディア: 単行本購入: 7人 クリック: 1,476回この商品を含むブログ (7件) を見る生命の起源をめぐる各種議論についての本…

竹下『イスラームを知る四つの扉』:いいことしか書いてない。

イスラームを知る四つの扉作者: 竹下政孝出版社/メーカー: ぷねうま舎発売日: 2013/01メディア: 単行本 クリック: 48回この商品を含むブログ (2件) を見るイスラム教についての一般向け解説書。イスラムはすばらしい、普遍的で、開かれていて解釈も自由で、…

祝:「経済思想の歴史」オリジナルサイト復活!

昔、New School of Social Study にあった「経済思想の歴史」オリジナルサイトが復活した。すばらしい!かなり充実したサイトで、経済学の名士録と各種経済思想/学派の紹介、加えて重要な思想の展開と、きわめてバランスの取れた記述。いまはウィキペディア…

数年前のできごとなど。

数年前に、確かあれは何かアート系の宴会だったと思うんだが、顔を出したことがある。ぼくはあまり有名ではないし、あまり知った顔もいなかったんだけれど、まあ何人かとちょろちょろ立ち話をするうちに、ぼくより少し若そうな――そうだな、五つくらい若かっ…

吉川『デフレーション』:混乱した本だし、10年以上前の小野山形論争蒸し返し。

デフレーション: “日本の慢性病”の全貌を解明する作者:吉川 洋日経BPマーケティング(日本経済新聞出版Amazon朝日新聞書評委員が任期終了、最後っ屁でいまぼくがやるとしたらリフレ政策翼賛をやらずにどうするってことで、吉川洋『デフレ』なんてどうかな、と…

長谷川『縮む世界でどう生き延びるか?』:お気楽な成長否定の社会ダーウィニズム。ふざけんな。

縮む世界でどう生き延びるか? (メディアファクトリー新書)作者:長谷川英祐発売日: 2013/02/28メディア: 新書生物は、個体数が増えるときもあれば、減るときもある。それぞれの時点で、そのときに応じたバランスがあって、みんな常に「適応」している。だから…