2026-04-01から1ヶ月間の記事一覧

ロッテンシュタイナー「スタニスワフ・レム:影をこする男」

長いことスタニスワフ・レムの西側世界への代弁者を務め、レム普及に尽力し、エージェントも務めたフランツ・ロッテンシュタイナーのレム評。SFマガジン2004年のレム特集に出た彼のインタビューと当然重なるところは多いはず (そっちは見損ねているのではっ…

レム『セックス・ウォーズ』(1996/2006): 散漫な連載時事コラム集

レムの未訳書で、ポーランドの電子書籍で安く出ていたのでまとめて買った。レムがおセックスについて書くとなると、まあエロいわけはないんだけど、一応まあ見るだけみておくか、という感じ。 publio.pl まず最初の2章分、SEX WARSはどこに出たのかよくわか…

レム『まばたき一瞬:科学技術の進歩』(2000) :レム、衰えたり

2000年に出たレムの、ほぼ最後に近い数冊の一つ、Okamgnienie. 『技術大全』『対話』をふり返っているというので、お手並み拝見と思って読んでみた。75ページしかないので、ほとんど一瞬。 レム「まばたき一瞬」(2000) 電子版カバー だが…… その中身はかなり…

『軌道に乗る:スタニスワフ・レム初期雑文集』 (1962) 概要:現代的価値はないが、資料として。

まだナイジェリアの査証がおりず、再度現地出発が延期。これ以上のびると、もう現地行き中止せざるを得ないが、どうしようか…… と考えていても何もないし、飛行機に乗っていたはずの時間が暇なだけなので、昨日みたレムの初期エッセイ集『軌道に乗る』(1957)…

スタニスワフ・レム「軌道に乗る」所収のSF論(1959):ずっと冷静でまとも

レム『軌道に乗る』ポーランド語電子書籍表紙 『SFと未来学』終わって、かなりがっかりしたというのは書いたとおり。こんなのかよ〜 cruel.hatenablog.com でもってその周辺の話を少し漁っていて、出てきたのが『SFと未来学』の十年前に書かれたSF論。彼の論…

レム 「ウェルズ、レーニン、そして世界の未来」(1967):社会主義とSF論

はじめに:レムは社会主義/ソ連から距離をおいていたか? レムと社会主義の親和性 ソ連社会主義に取り入るレム? ぼくのかんがえた さいきょうの戦車! レムの1967年レーニン様絶賛エッセイ:未来学は史的唯物論??!! スタニスワフ・レム「ウェルズ、レー…

レム『SFと未来学』16章 メタSF/おわりに:結語って、これ出発点以前じゃん。 新たな物語構造がないって、あんたが提案しろよ!

はじめに あらすじ メタSF的結び / メタファンタジア あとがき 内容についての感想 既訳とその解説について おまけの感想:すべてを律する一般理論! 終わっちまった悲しみに:30年越しの感想 はじめに やったー!終わりにきた! 「メタSF的結び」と「おわり…

コンピュータがおっかない:スタニスワフ・レム2004年インタビュー

書斎のレム ナイジェリア行きがキャンセルになって、いろいろ漁っているうちに見つけた、スタニスワフ・レム、最晩年2004年のインタビューの一つ。ポーランドの文芸アート雑誌のインタビューらしい。 ポーランド語で行われたものであり、おかげでポーランド…

スタニスワフ・レム『SFと未来学』15章 メタ未来学:何のためにある章なの?

はじめに あらすじ 感想 次で最後! はじめに はい、最後のパート、結論部分……と思うでしょ? ちがうのよ、これが。言い残したでかい話を落ち穂拾い的にしときますよ、というだけで、本全体のまとめとか総括とかでは一切ない。 この最初の部分は「メタ未来学…

レム『SFと未来学』第14章:ユートピア論……なのか、これ???

はじめに あらすじ 14.1 序論 14.2 空想的な哲学から歴史哲学的な空想へ 14.2.1 ボルヘスとステープルドン 14.2.2 SF のユートピアとディストピア 14.2.3 神話形成的な空想と社会学的空想 14.2.4 社会退化のモデル 14.3 技術予測と文化予測:モデル 感想 つ…

レム『技術大全』ロシア語版序文 (1967)

レム『技術大全』、ロシア語版を見ている中で、ついでにロシア語版の序文も訳して(というかAIに訳させて)みました。ついでに翻訳では、外国語版序文はおまけのところにまとめて、ポーランド語版初版の序文を最初にもってきました。 cruel.hatenablog.com 別…

レム『技術大全』付録「20年後」

レム『技術大全』はすでに全訳したし、委員会諸賢のみなさんはもちろんお読みだろうね。そうでない人はよもや読んだりしてはおるまいね。 cruel.hatenablog.com さて、レムはこれを書いてから30年たって「30年後」というフォローのエッセイを書いた。これは…

スタニスワフ・レム『SFと未来学』第13章 SFの実験:本書でいちばんすごい章!

はじめに あらすじ 1. ブラッドベリのすごさ 2. ニューウェーブ/バラードのだめなところ 3. ヌーヴォーロマンのだめなところ 4. なぜそれがダメなのか? 文学、特にSFが目指すべきもの 感想 1. SFの「認識論的評価」と未来学の関係 2. 最高のブラッドベリ評…

スタニスワフ・レム『SFと未来学』第12章「棚卸し」

はじめに あらすじ 感想 はじめに はい続き。スタニスワフ・レム『SFと未来学』第12章「棚卸し」。前章の最後で「次回は『総括』」と書いたけど、AIの翻訳がちょっとちがっていた。「その他」をまとめて扱いましょう……と言いつつ、やるのは冷凍睡眠とか、身…