Thomas Pynchon Against the Day あらすじ

Against the Day

Against the Day

トマス・ピンチョン 話題の新作だが、原書で1000ページ! しかも読み始めたが Mason and Dickson よりは読みやすいとはいえ、あまりに話がごちゃごちゃしていて、100ページいかないうちにわけがわからなくなっているので、自分のためのメモとしてあらすじを整理。


いつだって夜なんだ、さもなきゃ光なんかいらない ――セロニアス・モンク

第一章 Light over the Ranges

時は19世紀末の1890年、シカゴ万博に向けてあちこちから集まってくる飛行船の一つ、Inconvenience 号。船員たちはあれやこれやの有象無象だが読書犬パグナックスをふくめ、みんな飛行船乗組員友愛協会 Chums of Chance (各種冒険物語が書かれているほど有名) に所属。

扉ページのチベット商工会議所ロゴ

着陸の際にあわやの墜落寸前となって、地上に砂袋の雨をふらせてなんとかきりぬけ、一同はシカゴ万博の見物にでかけたり旧交をあたためたり。シカゴ博はピグミーだのエスキモーだの変なのがうろうろ。

そのシカゴは現在、各種の共産主義運動からくる労働争議があちこちで盛り上がり、さらにはそれを上回るアナキストたちがなにやら暗躍しているようなしていないような。電球で光の塔を作り資本主義の最先端としての電気がシカゴ博で展示される一方で、ニコラ・テスラが全地球を一大共振回路としてユニバーサル電力を実現し資本主義を破壊しようとしているといわれるとかなんとか。そのテスラとつながっているとか言われるモーガン……というのが後で出てくる指名手配アナキストみたい。資本家はそれを阻止すべく探偵を雇ってそれを探らせ。一方で反送信機を作らせてテスラの試みを邪魔しようとするとか。

さてその探偵はある日突然なんだかわからないけれど親類縁者に嫌われ、女房にも「あんなことをするなんて!」と言われて(でもそれが具体的に何かは不明)そのままシカゴに放り出されたリュウなる人物だが、たまたまInconvenience 号の乗員たちと知り合い、Chums of Chance 名誉会員として変な安宿を紹介され、いきなり路上で観察眼の鋭さを買われて探偵社にスカウトされる。で、シカゴ博見物にきていたオーストリア皇子が黒人街酒場でお遊びする警護をさせられたりするうちに、アナキストたちの陰謀を追えと命じられてInconvenience号に別れを告げ、そしてInconvenience号も南東に向かうように指令を受ける。



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