- 作者: 増川宏一
- 出版社/メーカー: 平凡社
- 発売日: 2012/02/10
- メディア: 単行本
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日本の昔から、当時はこんな社会で、こんな遊びがはやってたようです、というのを延々並べた本。資料的にはいい感じなんだが……それで?
まとめは
さまざまな遊びは消長を繰り返しながら遊び継がれていく。総体にせよ個々の遊びにせよ、遊びがどのような方向に向かうのか、遊びの近い将来を決定するのは人間である。人が遊びを創り伝えている。これが遊びの歴史であろう。
というもの。ぼくは書評でも本でも、こういう言わずもがなの話を最後につけておしまい、というのが嫌いなのね。そりゃ近い将来どころか遠い将来だって決定するのは人間に決まってるけどさ、いろんな時代にいろんな遊びがありますねー、というだけだと、あたりまえの話なんだよね。遊びじゃなくったって、これが本だろうと服だろうと通信手段だろうと輸送用のかばんだろうと、どんなものであろうとこのまとめはあてはまる。ということは、これは何も言ってないということだ。
麻雀の話とか(一時は中国渡来ってことで危険視されたとか)おもしろいエピソードも多いし、へえ、と思う内容もある。でも、大室幹雄「囲碁の民話学 (岩波現代文庫)」のような、ちょっとした遊びが宇宙論にまで拡大するような喜びは与えてくれない。実直な人の、実直なだけが取り柄の本。それが必要とされる場面もあるんだが、書評したいとは思わなかった。
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