木村『ラテンアメリカ十大小説』:お手軽な紹介としてはいいんじゃないか。記憶のリフレッシュにもなる。特に目新しい視点はなし。

 中南米(ブラジル除く)の主要作家についてのお手軽な解説。採り上げられている本は、テラノストラ以外一通り読んでいるけれど、ずいぶん昔に読んだものも多く、かなり忘れているなあ。「そういえばそんな話だっけ」と思うことも多々あり。それと『石蹴り遊び』は指定番号順に読もうと思いつつ未だに果たせていない。

 内容としては、こうした本を実際に読んで訳者解説とかを見ていればおおむねわかるもので、いまのぼくには特に参考になる本ではないし、何か目新しい斬新な見方や視点が含まれているわけではない。が、いまみたいに「そういえばあったねえ」と懐かしい気分にしてくれるのと、やり残しを思い出させてくれるのは有益。『夜のみだらな鳥』はまた読まなくては。

 それにしても、ブラジル小説ってそんなに不作なの? 集英社のラ米文学全集でも、リスペクトールしか入っていなかったんだけど……(読んでない)



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