須山『クレバスに心せよ』:レベルの低い翻訳雑記で意味なし。

 英文学の先生だそうだけれど、愚直だけが取り柄……といいたいところだが、それも取り柄となっていない。そういう人が自分のやった翻訳について、あれこれ書いている翻訳雑記みたいな本なんだが、とにかくレベル低すぎ。

 forty-threeをforty-five と見間違えて誤訳したとかいう話をダラダラ書いたり、得意げに書かれている誤訳はホント一瞬でケリをつけるべきもの。自分がいかに見間違えたかもしれないなんてことを延々書く価値はまったくない。他人にはまったく役にたたないんだもの。そんなものばかりで、イライライライライライラ……

 最後のヘブライ語を読む部分とかも、ウダウダしさの極致。状況を説明するとき、要点をさくっと説明できず、「あたしがこうしたらそこでだれそれがこう言って、そしたらそこでだれそれがああ返事をして、そこへ電話がかかってきて、返事をしているところでメモが云々かんぬん」と最初から最後まで何が起きたかダラダラせつめいして一向に本題にたどりつかない人がいるけれど、まさにそんな書きぶり。こんなのダメー。



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