Chopper Chicks in Zombie Town: 立派なクズ映画。

昔アメリカにいたとき、土曜か日曜深夜に USA Up All Night というのがあって、金髪巨乳のバカネーチャンが、どうしようもないお馬鹿映画を流して時々チャチャ入れるという、これまたどうしようもない代物。そこでやっていたのがこの Chopper Chicks in Zombie Town。まともに見る代物じゃなくて、15年前に終わりのところだけちょろっと見て、8年前にビデオ屋の処分セールでVHSを手に入れて、5年前にDVDに落として、昨晩初めて全部見た。

いやはやひどい映画。でも、前日の「プロトタイプ・ターミネーター」の後ではこんなものですら、フィルム撮影だってだけでありがたく見えるし、一応映画にもなってるし伏線もあるし。それでもひどい。鉱山での奴隷労働をさせるために町の人々を殺しては頭に電池を入れて蘇生させ、ゾンビにしてこきつかってきたが、そのゾンビたちが脱出して町を襲う! たまたまそこに通りがかった、女バイカー軍団がゾンビたちと対戦し……

いや、もうそれだけの映画で、あとはそこにバカなギャグを散りばめただけ。若き日のビリー・ボブ・ソーントンが出てるくらいが売りかなあ。でもたいしたことない。役者も脚本も、非常に義務的に作ってる感じで、名作になるとはまったく思わず、とにかくいい加減にいろいろやって、あまり真面目に仕上げもせずにおっぽり出した結果として当然どうしようもない代物になっちまった感じ。で、だからこそ、わざとウケを狙ってバカなことをやって「ほらおもしろいでしょー、テヘッ」という感じの作り物くさいインチキB級ではない、本物のB級ポンコツ映画らしさをかもしだしている。本当のタイトルは「Chrome Hearts」だったらしいんだけど、いまではChopper Chicks in Zombie Town という名前のほうで有名だと思う。

そういえば、この USA Up All Night でやっていた別の映画で、なんか遺伝子組み換えで、ヘソのところに口と舌のついたクローン人間たちが量産されるようになり、人間以下のsubhumans として奴隷労働にこき使われるんだが、ある日人間の若者と subhuman の美女が恋に落ち、でもsubhuman 解放闘争の中でその女の子は死んでしまい、ラストで逃げ惑う人々を背景にしてその若者が死んだ女の子を腕に抱いて「うぉーっ!」と空に吠える、さらに信じがたいほどひどい映画があって、たぶんトロマ系の映画だと思うんだが、あれはいったい何だったのか、いつかどこかの深夜テレビでお目にかかれないか期待してるんだが……*1



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*1:町山智浩氏の底知れぬ叡智により、これが「悪魔の毒々ハイスクール2:ヒューマノイドパニック」/Class of Nuke'em High 2 であることが判明。ありがとう!!