2012-03-13から1日間の記事一覧

フエンテス『聖域』:神話構造を現代に重ねる習作。根底にあるナルシズムのためにいやな小説になっている。

Executive Summary フエンテス『聖域』(国書刊行会) は、メキシコの大作家フエンテスの習作。神話的な物語を現代に重ねて、大女優の母親にエディプス的に焦がれる自分を書いたものだが、最終的にその焦がれる対象が自分になるで、すべてがナルシズムでしかな…

上田美和『石橋湛山論』:石橋研究業界内部に向けた本にとどまり、それ以上の広がりはない。

石橋湛山論―言論と行動作者: 上田美和出版社/メーカー: 吉川弘文館発売日: 2012/02メディア: 単行本 クリック: 25回この商品を含むブログを見る石橋湛山ってだれだか知らなくて飯田泰之に嘲笑されたところへ、朝日新聞の書評で本があったので読んでみること…