2025-01-01から1年間の記事一覧
翻訳者、特に文芸翻訳系の翻訳者にAI翻訳の話をさせるとおおむね、簡単なもの、実務翻訳とか産業翻訳 (マニュアルとかね) ならできるけれど、高度な文芸翻訳はとうていできないよ、という自己充足的な自画自賛に陥るのが常だ。が、ぼくは昔から、翻訳なんて…
ブライアン・オールディスとかがやっていたSF評論誌 SF Horizons の第二号に出たウィリアム・バロウズのインタビューなり。バロウズも比較的理性的かつ友好的な対応をしていて、後年のインタビューに見られがちな、神格化されたジジイのイカレた放談を一方的…
万が一興味ある人がいれば: R.A.ラファティ『アーキペラゴ+α』山形浩生訳 レイモンド・チャンドラー『長いお別れ』山形浩生訳 ラファティは一ヶ月以上前に終わっているがだれも読んでいないねえ。チャンドラーも半月前に終わっているけど、読んでくれたのは…
昨日、チャンドラー『長いお別れ』の翻訳2章までやったが、その後ちゃらちゃらと終わったよ。 レイモンド・チャンドラー『The Long Goodbye』山形浩生訳 ぼくがこれに手をつけた事情については、ここからの一連のツイートを見てほしい。 マルタの鷹を読んだ…
献本されたんで、ダシール・ハメット『マルタの鷹』を読んで、行きがかり上以前献本されたまま積んであったチャンドラー『長い別れ』(田口俊樹訳) を読み始めた。 長い別れ (創元推理文庫)作者:レイモンド・チャンドラー東京創元社Amazon 清水俊二訳の『長い…
今日、『翻訳者の全技術』にからんでトークショーをやった。 翻訳者の全技術 (星海社 e-SHINSHO)作者:山形浩生講談社Amazon その中で、アレだと思った本の翻訳はどうする、みたいな質問があって、いろいろ答えたんだが、そこで出そうかと思っていたけれど時…
映画『クィア』公開でいろいろバロウズがらみの本が再刊されてめでたい。 gaga.ne.jp もちろん原作の「クィア/おかま」も再刊だ。 クィア (河出文庫)作者:ウィリアム・S・バロウズ河出書房新社Amazon そしてしばらく品切れだった「ジャンキー」「裸のランチ…
概要 Jeffery Ding ”Technology and the Great Powers” レジュメ。 イノベーションが重要であり、それが国⼒を決定するという議論は多いが、そうした 議論は通常、イノベーションが重要産業のリードを実現し、それが勝者総取りのよう な形で先⾏者利益を得る…
2025年ミュンヘン安全保障会議で、ヴァンス米副大統領の演説の翌日に行われた、ゼレンスキー大統領の演説の全訳。 2025年ミュンヘン安全保障会議 ゼレンスキーウクライナ大統領の演説 Executive Summary ゼレンスキー大統領は、ロシアの脅威がウクライナだけ…
題名の通り、AIサミットでの基調講演。 ヴァンス続きで、別にヴァンスのファンというわけじゃないが、AI会議でのアメリカのAI政策の話。 2025年パリAIサミットでのJ.D.ヴァンス米副大統領基調講演 このツイートで好意的に言われていたので、ちょっと見てみて…
なんかミュンヘンの安全保障会議で、アメリカ副大統領のJDヴァンスが何やらいったとかで、Twitterで安全保障の専門家なる人々があれこれ論評していた。アメリカのヨーロッパとの決別姿勢があらわになったとか、もうアメリカはヨーロッパを支援しないぞとキレ…
ラファティ『アーキペラゴ』の翻訳再開したが、その後出たいろんな作品との関係はもとより、その作品自体があまりピンとこない話をした。それで少ししまってあったラファティのブックレットなどをいろいろ見ていたときに出てきた、ラファティのインタビュー…
一部の人には朗報かもしれず、ほとんどの人にはまったくどうでもいいことだろうが、ちょっとラファティ『アーキペラゴ』翻訳の続きをやってみた。まだ全11章のうちの4章終わっただけ。ついでに、それにまつわる思い出も解説でちょっと書いたよ。 R.A.ラファ…
もう20年も前に訳した論文だけれど、アメリカにおいて日本アニメが、ファンによる著作権無視のファンサブ活動を通じて広まったことを示す研究論文。ファンサブというのは、ファンがつける字幕のことね。 法に抗っての進歩:アメリカにおける日本アニメの爆発…
オッケー、やりかけベスター終わったぜ。 cruel.hatenablog.com 終わったんだが…… ワタクシいま、なんとも言えない喪失感と怒りの混在するワナワナ感にうちふるえておりますわよ、まったくちょっとアルフレッドくん、これ一体何ですのん? というわけで、中…
いま、ベスターの遺作 Decieversの翻訳を進めているのはすでにご報告の通り。 cruel.hatenablog.com 正直、かなり完成度は低いと言わざるを得ない。7割くらい終わっているので、読んでもらえればわかる。ベスターのかつての、パルプ小説やコミック脚本をやっ…
お年玉企画で、バロウズ『おぼえていないときもある』のファイルを作っていてふと思い出したこと。 cruel.hatenablog.com ここに収録されている浅倉久志の名訳「おぼえていないときもある」は、創元推理文庫のジュディス・メリル編『年刊SF傑作選7』に収録さ…
お年玉第2段。ペヨトル工房のバロウズ二冊。 W・S・バロウズ『おぼえていないときもある』 (pdf, 1.8MB) W・S・バロウズ『ワイルド・ボーイズ [猛者]——死者の書』(pdf, 2.1MB) pdfのOCR機能も優秀になりました。昔やったら、特に日本語と外国語の部分の判別…
というわけで、あけましておめでとうございます。去年年末に突然思い立ったバージェス『ジョイスプリック』の全訳が、仕上がりました。 cruel.hatenablog.com お年玉です。もちろん完全な海賊訳。気にしない人は読みなさい。気にする人は読むな。 アントニイ…