SF
このブログをお読みの方なら、ぼくがスタニスワフ・レムの(特に90年代以降の)エッセイ集については、あまり高い評価を与えていなかったのはご承知の通り。だって、つまんないんだもの。 cruel.hatenablog.com cruel.hatenablog.com ということで、この「中国…
Executive Summary ポーランドのSF巨人スタニスワフ・レムのこれまで日本でまったく紹介されてこなかった評論系著作、このブログで散発的に行った紹介をまとめて要約。 『対話』(1957)は、サイバネティクスという新しい概念で複雑なフィードバックを持つ生命…
Executive Summary 文学理論を自然科学的に理論化すべきだ、という考えを実践しようとした1968年の野心的な著作。ただし情報理論、生物学、構造主義、社会学、サイバネティクスなど様々なジャンルでの知見と小説およびその受容との間に似たような部分がある…
Executive Summary 人間と世界との関係を図式化し、そこから小説のジャンル分類を行った結果、「反おとぎ話」という新ジャンルを発見した……が、そこにサド作品が見事におさまる! というレムの論説。ゲーム理論のような形式を使って己の知識を誇示するだけか…
Executive Summary なぜ自分が(『SFと未来学』の後で) 小説を書くのをやめたのかを語る、レムの読者への公開書簡。哲学とかはやめてSFもっと書いてくれという読者に対して。: 『ソラリス』の続編なんか書けないよ 同じことを繰り返すのもいやだ それにSFも…
Executive Summary スタニスワフ・レムの論説『対話(Dialogi)』(1957年初版/1971年増補版)の全訳と訳者解説。 本書は対話形式で、自己・意識の複製可能性、機械に意識を移植できるか、サイバネティクスによる社会設計などを論じる。 前半はSFファンおな…
Executive Summary 『SFと未来学』はポーランドのSF巨人スタニスワフ・レムが1970年に発表した超長編SF評論である。当時アメリカで流行していたハーマン・カーンらの未来学を見て、その無力ぶりとエリート偏重を論難し、SFこそは未来をもっと広い人々が考え…
はいはい、どんどんレムの積み残しを消化しましょう。 主の変容病院・挑発 (スタニスワフ・レムコレクシヨン)作者:スタニスワフ・レム国書刊行会Amazon で、これはレムの処女作の純文学作品『主の変容病院』と、晩年というほどではないが1980年代末、前回の…
以前、ずっと本棚に鎮座していたカルロス・フエンテスやトマス・ピンチョンやウィリアム・ギブスンにある日一気にケリをつけたように、いま自分がスタニスワフ・レムに一気にケリをつける時期にさしかかっているのは明らかだと思う。そしてずっと本棚にあっ…
長いことスタニスワフ・レムの西側世界への代弁者を務め、レム普及に尽力し、エージェントも務めたフランツ・ロッテンシュタイナーのレム評。SFマガジン2004年のレム特集に出た彼のインタビューと当然重なるところは多いはず (そっちは見損ねているのではっ…
レムの未訳書で、ポーランドの電子書籍で安く出ていたのでまとめて買った。レムがおセックスについて書くとなると、まあエロいわけはないんだけど、一応まあ見るだけみておくか、という感じ。 publio.pl まず最初の2章分、SEX WARSはどこに出たのかよくわか…
2000年に出たレムの、ほぼ最後に近い数冊の一つ、Okamgnienie. 『技術大全』『対話』をふり返っているというので、お手並み拝見と思って読んでみた。75ページしかないので、ほとんど一瞬。 レム「まばたき一瞬」(2000) 電子版カバー だが…… その中身はかなり…
まだナイジェリアの査証がおりず、再度現地出発が延期。これ以上のびると、もう現地行き中止せざるを得ないが、どうしようか…… と考えていても何もないし、飛行機に乗っていたはずの時間が暇なだけなので、昨日みたレムの初期エッセイ集『軌道に乗る』(1957)…
レム『軌道に乗る』ポーランド語電子書籍表紙 『SFと未来学』終わって、かなりがっかりしたというのは書いたとおり。こんなのかよ〜 cruel.hatenablog.com でもってその周辺の話を少し漁っていて、出てきたのが『SFと未来学』の十年前に書かれたSF論。彼の論…
はじめに:レムは社会主義/ソ連から距離をおいていたか? レムと社会主義の親和性 付記(2026.05.28) ソ連社会主義に取り入るレム? ぼくのかんがえた さいきょうの戦車! レムの1967年レーニン様絶賛エッセイ:未来学は史的唯物論??!! スタニスワフ・レ…
はじめに あらすじ メタSF的結び / メタファンタジア あとがき 内容についての感想 既訳とその解説について おまけの感想:すべてを律する一般理論! 終わっちまった悲しみに:30年越しの感想 はじめに やったー!終わりにきた! 「メタSF的結び」と「おわり…
書斎のレム ナイジェリア行きがキャンセルになって、いろいろ漁っているうちに見つけた、スタニスワフ・レム、最晩年2004年のインタビューの一つ。ポーランドの文芸アート雑誌のインタビューらしい。 ポーランド語で行われたものであり、おかげでポーランド…
はじめに あらすじ 感想 次で最後! はじめに はい、最後のパート、結論部分……と思うでしょ? ちがうのよ、これが。言い残したでかい話を落ち穂拾い的にしときますよ、というだけで、本全体のまとめとか総括とかでは一切ない。 この最初の部分は「メタ未来学…
はじめに あらすじ 14.1 序論 14.2 空想的な哲学から歴史哲学的な空想へ 14.2.1 ボルヘスとステープルドン 14.2.2 SF のユートピアとディストピア 14.2.3 神話形成的な空想と社会学的空想 14.2.4 社会退化のモデル 14.3 技術予測と文化予測:モデル 感想 つ…
レム『技術大全』、ロシア語版を見ている中で、ついでにロシア語版の序文も訳して(というかAIに訳させて)みました。ついでに翻訳では、外国語版序文はおまけのところにまとめて、ポーランド語版初版の序文を最初にもってきました。 cruel.hatenablog.com 別…
レム『技術大全』はすでに全訳したし、委員会諸賢のみなさんはもちろんお読みだろうね。そうでない人はよもや読んだりしてはおるまいね。 cruel.hatenablog.com さて、レムはこれを書いてから30年たって「30年後」というフォローのエッセイを書いた。これは…
はじめに あらすじ 1. ブラッドベリのすごさ 2. ニューウェーブ/バラードのだめなところ 3. ヌーヴォーロマンのだめなところ 4. なぜそれがダメなのか? 文学、特にSFが目指すべきもの 感想 1. SFの「認識論的評価」と未来学の関係 2. 最高のブラッドベリ評…
はじめに あらすじ 感想 はじめに はい続き。スタニスワフ・レム『SFと未来学』第12章「棚卸し」。前章の最後で「次回は『総括』」と書いたけど、AIの翻訳がちょっとちがっていた。「その他」をまとめて扱いましょう……と言いつつ、やるのは冷凍睡眠とか、身…
死闘! スタニスワフ・レムとウンベルト・エーコ ウンベルト・エーコ『薔薇の名前』に対するスタニスワフ・レムの見事な書評、およびその『覚書』をもとにした「なぜあれがベストセラーになったか」についてのトホホな考察を訳してしまったので、委員会関係…
はじめに あらすじ 感想 お次は…… はじめに はい続き。スタニスワフ・レム『SFと未来学』第11章「人間と超人」。前章の最後で「次回は、人間と超人。どうせ、SFは馬鹿なスーパーマン妄想にふけっていてアホ、ステープルドンはすごいと言うんでしょ。もうだい…
宇宙であやとりをするスタニスワフ・レム 手すさびで、スタニスワフ・レムの1997年インタビュー集を訳したので委員会の方はどうぞー。他の人はだめです。 https://cruel.org/books/Lem/LemReader/SwirskiLemReader_j.pdf 聞き手はピーター・スワースキーなる…
SF Commentary 23, 1971/09 はじめに レムのねたを漁っていたら、彼が1971年に書いた小松左京『明日泥棒』評が見つかった。まあお読みあれ。原文は以下にあります。 https://fanac.org/fanzines/SF_Commentary/sfc23.pdf オーストラリアの名ファンジンとして…
はじめに あらすじ 10.1 序論 10.2 文化とセックス 10.3 ポルノとSF 10.4 宇宙の性生活 感想 次回は! はじめに はい続き。スタニスワフ・レム『SFと未来学』第10章「エロスとセックス」。まあ楽しいエロ話が展開されるわけがないのは百も承知ではあったが、…
いま訳している本で、機械は意識を持てるか、みたいな話をしていて、ヴォクト・カンプ試験がどうだ、チューリングテストがどうしたこうした中国人の部屋が云々、というこの手の話にちょっとでも興味を持った人なら百回は読んだ話が延々蒸し返されていてあれ…
はじめに あらすじ 感想 次回は! はじめに はい続き。スタニスワフ・レム『SFと未来学』第9章「SFの形而上学と信仰の未来学」。 スタニスワフ・レム『SFと未来学 II』 あらすじ これまでの章と同じく、何か体系だった考察が行われているわけではなく、いろ…