キューバの経済 番外編: モンゴル唯一の自販機

うーん、前回かなり気合いを入れたつもりなのに、反応が薄くてがっかりですよ。減価償却ガー、といったあたりですでにかなりみんなの理解力を超えたということなのかしら。 まあ仕方ない。今回は息抜きで、番外編としてコメントできた、モンゴルの自販機の話…

キューバの経済 Part3: 利益は「計画からのずれ」!社会主義会計と投資

前回、キューバ経済に見る「効率性」の考え方のちがいについて述べて、それをもたらす資本や投資の不足を指摘した。今回はその資本や投資の話を…… はじめに: モンゴルの財務諸表 開発援助がらみの仕事で、いろんなところでいろんな変なものを見てきたけど、…

平成の30冊:考えるだけ無駄でしたがカード3000円ゲット

朝日新聞の平成の30冊なるものの結果が発表された。 book.asahi.com 文芸偏重ならあらかじめそう言っておいてくれれば…… 山形もアンケートに回答していろいろ考えたけど、考えるだけ無駄でした。が、クオカード3000円(いや、図書カードだったかな)はもらった…

キューバの経済 Part2: 経済の「効率性」とは?――物流と『ザ・ゴール』

はじめに:社会主義の「いいところ?」 前回の、憲法改正の話を書いたら、はてなブックマークに「社会主義のよいところも書くべき」というコメントがついて、ぼくは少し驚いた。えーと、どんなところが「いい」と思ってるんだろうか? 強いて言うなら、格差…

キューバ番外編:Cubacell 携帯での3Gインターネット接続マニュアル

Executive Summary; キューバのインターネット事情はかなり劣悪であり、公園や公共施設付近にある官製 wifi アクセスポイントに、アクセスカードを使って一時間1ドルで接続するしかなかった。が、2018年12月から、待望の3Gモバイルインターネットが開始され…

キューバの経済 Part1: 憲法改正と市場経済

1. はじめに 最近、キューバでのプロジェクトが始まって、いま二回目の現地調査。キューバというと、みんなゲバラにカストロ、葉巻で、ついでにブエナビスタ・ソシアルクラブで町中が音楽に満ち……というような漠然としたイメージしか持っていない。このぼく…

統計の不備と、各種統計の「相関」の話

Executive Summary 統計の信頼性について疑問を呈した柳下毅一郎のツイートを、山形は一蹴した。が、その後勤労統計の集計方法の不備が露見した。ここから、この統計は捏造であり、それが相関しているならすべての統計が捏造だ、という極論を述べたブログが…

「平成の30冊」への山形の投票

朝日新聞が、「平成の30冊」なる企画をするのでアンケートをされた。回答すると、図書カード3000円だそうで。3000円だとあまり深く考える気も起きないし、また山形の選評とかがどこかに載るわけではなく、トップ30を選ぶために集計されるだけなんだよね。 通…

マクナマラの悲しい弁明

マクナマラ回顧録 ベトナムの悲劇と教訓作者: ロバート・マクナマラ,仲晃出版社/メーカー: 株式会社共同通信社発売日: 1997/05メディア: 単行本 クリック: 14回この商品を含むブログ (19件) を見る 久々にバンコクにきたのに、約束時間までの空き時間が少し…

内蒙経営策:満州帝国の二番煎じプロジェクト(実はちがう)の全貌

その昔、CUTにこんな文章を書いたことがある。 アゾット/亜素州をめぐる幻想と現実。 かのクラフト・エヴィング商会『クラウド・コレクター』の書評なんだけど、その枕に使ったのが、ぼくの曾爺さんかなんかのインチキプロジェクトの話しだった。 その曾爺…

スマートシティって結局なんなのよ。

ぼくは、こんな何やってるかわからんやつではあるけど、一応都市計画畑の出身ではあって、いまもそういうのを追いかけてはいる(ときどき仕事にもなるし)。で、最近の都市計画がらみで流行というと、スマートシティってやつ。スマートシティ開発します、こ…

セックス妖精、なぜ殺したがるの?

いま見ているすっげえ分厚いファンタジー本があって、そこで万能の主人公がセックス妖精と出会う場面がある。いやホント。セックス妖精。 そのセックス妖精、千年も前からどんな男でもそのあまりのよさに、身も心も虜になってしまい、彼女のもとから帰ってき…

ネットハラスメントにはパスワード変更を奨めよう!

ツイッターもフェイスブックも、あれもこれも、ネットコミュニティが同じ意見の連中が集まるエコーチェンバーと化し、その連中がお互いをブートストラップしあって勝手に舞い上がり、威勢良くなって、するとますます引っ込みがつかなくなって中にははた迷惑…

ロシア未来派とコスミズム

モスクワのレーニン廟には、レーニンのミイラというか防腐死体があるのはもちろん有名な話だ。通常、それはソ連(およびその他)の社会主義が個人崇拝に堕した明白な印として嘲笑されることが多い(ベトナムのホーチミン廟と同じで)。そして、それ自体はま…

岩田規久男副総裁は黒田の尻を蹴飛ばしてリフレを十倍増させるべきだったと思う。

本稿の主張は、表題通り。岩田規久男は副総裁として、リフレの理論にもっともっと忠実に動き、黒田総裁を蹴飛ばしても締め上げても何をしてもいいので金融緩和をますます激化させてほしかったし、それができなかったのは不甲斐ないということだ。リフレ派の…

経済学でも男女で意見の相違があります

『エコノミスト』で、経済学者でも男女で意見に差が見られるという研究を紹介し、こういう意見の相違が研究にも影響するかもね、という記事を載せたところ、経済学関係者の出入りするフォーラム、Economic Job Market Rumors で関連スレッドが、まさにここで…

久々の中華外れアイテム:キーボードが! それ以外はまったくOKなのに!

Cube thinker i7 ノートパソコン Intel Core m3-7Y30 メモリ8G+256G SSD Windows10 13.5インチ 3000 * 2000 FHD シルバー出版社/メーカー: Cubeメディア: Personal Computersこの商品を含むブログを見る 中華タブレットとかパソコンとか携帯電話とか、最近ま…

ミアシャイマー『なぜリーダーはウソを?』:うーん、あたりまえすぎて……

なぜリーダーはウソをつくのか - 国際政治で使われる5つの「戦略的なウソ」 (中公文庫)作者: ジョン・J.ミアシャイマー,奥山真司出版社/メーカー: 中央公論新社発売日: 2017/12/22メディア: 文庫この商品を含むブログ (2件) を見る うーん。なぜミアシャイマ…

AI ハリー・ポッターの衝撃

『ハリー・ポッターと巨大な灰の山らしきものの肖像』 AIにハリポタ全巻喰わせて、新作を生成させたそうな。まあご覧あれ。 Botnik Studios こいつを見て、あまりに感動してしまいました。この支離滅裂、異常な構想力、唐突な破綻ぶり。デスイーターたちが何…

最後のジェダイ:こう、いろいろキャラや話の育成に手を抜きすぎでは?

最後のジェダイ見てきて…… 最後のジェダイ見てきた〜 事前の評判だとローズ氏ねとかその手の話をいろいろ聞いていた一方で、全体に好評ということだし、しょせん(というとアレだが、しょせんはしょせん)スター・ウォーズだからそんな深いものは期待してい…

新年プロジェクト2018: The Economy

あけおめ(死語)。昨年は本当にろくでもない仕事が振ってきて、あまりのストレスで体重は一時5キロも減り (残念ながらその後リバウンド)、しかもそれが期間延長というトホホなことになって、秋に終わるはずが年内いっぱいかかり、ギリギリのところで何とか…

サンスティーンによると『最後のジェダイ』は

はーい、サンスティーン『スター・ウォーズによると世界は』はお読みいただけましたでしょうか? スター・ウォーズによると世界は作者: キャス・R.サンスティーン,Cass R. Sunstein,山形浩生出版社/メーカー: 早川書房発売日: 2017/11/21メディア: 単行本こ…

うわべ「だけ」ではダメだけど、うわべがなくては始まりません。

2017年12月になって、藤岡『ハードウェアのシリコンバレー深圳に学ぶ』の書評っぽい記事を書いて、それがネットに出た。 「ハードウェアのシリコンバレー深セン」に学ぶ−これからの製造のトレンドとエコシステム (NextPublishing)作者: 藤岡淳一出版社/メー…

話せばわかるってもんでも……

モンゴルから仁川に飛ぶ飛行機で隣にすわったイギリス人の爺さんと話をしていて、北朝鮮付近を通ったときに当然北朝鮮の話になって、トランプはどうしようもない、という話でそこそこ盛り上がったんだが……そこで爺さん曰く 「トランプは知識もなく見通しもな…

『MONEY』こと「お金を丸裸にする」の訳者あとがき

すでにご存じの方もいると思うけれど、また山形&守岡訳で、ウィーラン『MONEY』が出る。 MONEY もう一度学ぶお金のしくみ作者: チャールズ・ウィーラン,山形浩生,守岡桜出版社/メーカー: 東洋館出版社発売日: 2017/12/18メディア: 単行本この商品を含むブロ…

サンスティーン『スター・ウォーズによると世界は』の訳者解説と嬉しい感想

つい先日、拙訳でサンスティーン『スター・ウォーズによると世界は』(早川書房)が出た。 スター・ウォーズによると世界は作者: キャス・R.サンスティーン,Cass R. Sunstein,山形浩生出版社/メーカー: 早川書房発売日: 2017/11/21メディア: 単行本この商品を…

ブレードランナー2049を見てきて……

なんだか先週で、東京ではいろんな劇場でブレードランナー2049が公開終了になってしまっているようで、うーん、残念きわまりない。とはいうものの、一方でまあ仕方ないか、という気もする。 ぼくは映画や小説について、予備知識なしで見ようとは思わない。オ…

自分の翻訳をめぐるちょっとした愚痴。

翻訳についての人の感想は様々だ。そして翻訳がちょっと面倒なのは、それが訳者だけのオリジナルではないからだ。原文があって、それをもとに翻訳は行われる。ある訳文があって、それがある読者にとっては読みにくいと思えた。それはだれのせいかといえば………

ノーベル経済学賞2017年予想

ノーベル賞メダル 昨年(2016年)、ノーベル経済学賞のときにニコニコ動画に呼ばれ、予想ごっこと、受賞後のコメントを田中秀臣と、反アベノミクスのあまりにお手軽な本を書いている小幡績、そして電話参加の安田洋佑といっしょにやりましたよ。去年は、ハー…

『人民元の興亡』:人民元をネタにした単なるゴシップ本。

人民元の興亡 毛沢東・鄧小平・習近平が見た夢作者: 吉岡桂子出版社/メーカー: 小学館発売日: 2017/05/24メディア: 単行本この商品を含むブログ (1件) を見る うーん、せっかくもらった本なのであまり悪く言いたくはないんだが、もう少し何とかならなかった…