経済

Wear "Solved!” 査読

Solved!: How other countries have cracked the world's biggest problems and we can too作者:Wear, AndrewBlack Inc.Amazon Andrew Wear Solved! How other countries have cracked the world’s biggest problems and we can too (2020, Black) 査読 2020…

M. Mazzucato, Mission Economy: A Moonshot Guide to Changing Capitalism 査読

2020年10月に依頼された、マリアナ・マッツカートの新著の査読。冒頭のコロナでの話とかでもわかるとおり、いまにして思えば (半年しかたっていないのに!) ずいぶん拙速で妥当性のない話になっているように思う。ベトナムなどは社会封鎖は成功したけれど、…

ハーマン・カーン『紀元2000年』の技術予想はそんなに悪いか?

紀元二〇〇〇年 三十三年後の世界作者:ハーマン・カーン,アンソニー・ウィーナー発売日: 1968/05/01メディア: 単行本 先日訳したクルーグマンの未来予測記事では、ハーマン・カーン『紀元2000年』がボケ役に使われていた。全然当たっていない、といって。 cr…

フィッシャー・ブラック『ノイズ』とファイナンスの教え

いま訳している分厚い本がもう、話があっちとびコッチ飛びして、結局どこに行こうとしているのか、そもそも何の本なのかもときどきわからなくなっきて、いまは一生懸命『マヌ法典』なんか読んでおりますが、うーん。 分厚いから本当なら集中して片づけたいん…

クルーグマンのはずれた「未来予測」

ちょうどリドレー『人妻とイノベーション』を読んでいるところで、なかなかおもしろい。 人類とイノベーション:世界は「自由」と「失敗」で進化する作者:マット・リドレー発売日: 2021/03/05メディア: 単行本 これについては、またきちんと書く機会もあるだ…

クルーグマン「ミレニアムを解き放つ」:この道はいつか来た道

先日、「資本主義の行き詰まりがあちこちで見られる中で新たな経済思想は〜」みたいな話をきかれて、ぼくはちょっと言葉に詰まった。というのも、資本主義がそんなに行き詰まっているとはぼくは思っていないから、なのだ。 それで、ちょっと以前読んで気にな…

ケインズ『説得論集』全訳終わった。(そういえば昨日はバレンタインデー)

いろいろ忙しくなってきたので、例によってケインズ『説得論集』の全訳をあげてしまいました。1931年の原著すべてプラスアルファになっております。 J.M.ケインズ『説得論集』pdf 1.3MB https://genpaku.org/keynes/essaysinpersuasion/JMKessaysinPersuasio…

再びピケティ奴隷募集!

Exectuive Summary ピケティ新著のサポートサイト用に、図表の加工を外注したい。報酬は出たときに訳書をあげるだけ。以下の仕様を見てわかるヤツだけ応募しなさい。 はじめに 高齢な方々の中には、はるか昔にトマ・ピケティ『21世紀の資本』とかいう本がな…

ケインズ『人物評伝』全訳おわった。

epub版ケインズ『人物評伝』表紙。 年明けてからケインズ『人物評伝』を訳し始めて、月の内になんとか終わりました。 ジョン・メイナード・ケインズ『人物評伝』pdf 2.7MB ジョン・メイナード・ケインズ『人物評伝』epub 1.4MB epubは、pandocで機械的に変換…

やさぐれるスタンリー・ジェヴォンズ

ケインズの人物評伝の訳は続いていて、マルサスが終わってスタンリー・ジェヴォンズになっている。 マルサスはかなり温厚でまともな人だったらしいけれど(まあ牧師さんだから)、それでも結構面倒な人ではあったみたい。同時代の人の証言によると、 「だが…

ケインズ『人物評伝』の政治家パート/科学者パート

1933年のケインズ。 急に忙しくなったので、余計なことに手を出し始めて、ケインズ『人物評伝』の訳をこの連休に始めた。政治家、経済学者、科学者のパートがある中で、政治家の部分が終わったので、まあご覧あれ。 ジョン・メイナード・ケインズ『人物評伝…

ebook版もっと追加。ソローとサイモン & 富岡日記

ロバート・ソローの「内生的成長理論死ね」本と、サイモンの合理性本、epub化した。 ロバート・ソロー『アロー『やってみて学習』から学習:経済成長に とっての教訓』epub版 (右クリックでダウンロード) ハーバート・サイモン『人間活動における理性』epub版…

ピケティ『21世紀の資本』: r>g は格差の必要 or 十分条件か?

21世紀の資本作者:トマ・ピケティ発売日: 2015/04/27メディア: Kindle版 新年仕事始め前の小ネタ。ツイッターでこんなのみかけたのよ。 このツイ主は、浅田論文を読んでおくことでどういう知見を得るべきなのか、ここで採りあげているネット番組の問題提起に…

クレクレくんの要求と自分の実験を兼ねて、正月にいくつか電子ブック化

あけおめ(死語)。 各種の翻訳の公開がpdfなのが気にくわねえとかいうケチがついて、なんでも若者はepub形式だそうで、pdfなんざ加齢臭で読んでいただけないそうですよ。悪うございましたね。epubは昔、少し検討したんだけれど、確か日本語だと注かルビが処…

お年玉にしてはショボいが:アダム・スミス『国富論』8章まで (その後9章まで)

その昔、1999年にプロジェクト杉田玄白をたちあげたときに手をつけたはじめた、アダム・スミス『国富論』、4章くらいまでやってその後ほとんど進んでいなかったが、この4日ほど気晴らしでがーっとやって、8章まで終わった。これで第一巻の半分くらいになる。…

まあXmasプレゼントみたいなもので、ケインズ「芸術と国家」(1938) 翻訳。

今年はろくな年ではなかったし、来年もどうなるやらという感じだが、まあそれでも欲しいやつにはクリスマスプレゼントみたいなものでもあげようか。耶蘇じゃないけど。都市景観保全系の論集にケインズが寄稿していたのを見つけたもので。 全集のどれかの巻に…

ケインズ『平和条約改訂案』、結局全訳しちゃった。

しばらく前に、ケインズ『条約の改訂』が仕掛かりだけど放り出す、という話を書いた。 cruel.hatenablog.com でもなんか、気の迷いで結局全部訳しちまったよ、あっはっは。暇だなあ、オレって。まあ、ご笑納くださいませ。 ケインズ『平和条約改定案: 続「平…

ケインズ「H.G・ウェルズ『クリソルド』書評」

最近、初版諸般の事情でケインズの伝記をいっぱい読んでいるんだが、うーん、スキデルスキーのものすごい分厚い三巻本とかがんばって見ているんだけど、平板だなあ、という感じ。分厚いのだと、その物量にうんざりしてそういう印象になりがちだというのもあ…

ブローデル『地中海』その他:前半は地中海世界の広がりを美しく描き出す名著だが、結論不満、また現代的妥当性は?

Executive Summary ブローデル『地中海』は、特に前半は地中海を取り巻く環境、物質世界とそれをベースにした人間たちの活動を壮大かつ優美に描き出し、とても美しく豊か。でもそれがこれまでの歴史的な見方にどう影響するのか、後半で採りあげる事件や人物…

キューバの経済 番外編: ノマドの夢と現実

キューバの話は書きかけがいくつかあるんだけれど、なんとなくまとめるところでモチベーションが落ちて放置してある。一つの理由は、コルナイ・ヤーノシュ『不足の政治経済学』を読んだら、ぼくが考えていたような話がすでにかなりきちんと考察されていて、…

キューバの経済 番外編: モンゴル唯一の自販機

うーん、前回かなり気合いを入れたつもりなのに、反応が薄くてがっかりですよ。減価償却ガー、といったあたりですでにかなりみんなの理解力を超えたということなのかしら。 まあ仕方ない。今回は息抜きで、番外編としてコメントできた、モンゴルの自販機の話…

キューバの経済 Part3: 利益は「計画からのずれ」!社会主義会計と投資

前回、キューバ経済に見る「効率性」の考え方のちがいについて述べて、それをもたらす資本や投資の不足を指摘した。今回はその資本や投資の話を…… はじめに: モンゴルの財務諸表 開発援助がらみの仕事で、いろんなところでいろんな変なものを見てきたけど、…

キューバの経済 Part2: 経済の「効率性」とは?――物流と『ザ・ゴール』

はじめに:社会主義の「いいところ?」 前回の、憲法改正の話を書いたら、はてなブックマークに「社会主義のよいところも書くべき」というコメントがついて、ぼくは少し驚いた。えーと、どんなところが「いい」と思ってるんだろうか? 強いて言うなら、格差…

キューバ番外編:Cubacell 携帯での3Gインターネット接続マニュアル

Executive Summary; キューバのインターネット事情はかなり劣悪であり、公園や公共施設付近にある官製 wifi アクセスポイントに、アクセスカードを使って一時間1ドルで接続するしかなかった。が、2018年12月から、待望の3Gモバイルインターネットが開始され…

キューバの経済 Part1: 憲法改正と市場経済

1. はじめに 最近、キューバでのプロジェクトが始まって、いま二回目の現地調査。キューバというと、みんなゲバラにカストロ、葉巻で、ついでにブエナビスタ・ソシアルクラブで町中が音楽に満ち……というような漠然としたイメージしか持っていない。このぼく…

内蒙経営策:満州帝国の二番煎じプロジェクト(実はちがう)の全貌

その昔、CUTにこんな文章を書いたことがある。 アゾット/亜素州をめぐる幻想と現実。 かのクラフト・エヴィング商会『クラウド・コレクター』の書評なんだけど、その枕に使ったのが、ぼくの曾爺さんかなんかのインチキプロジェクトの話しだった。 その曾爺…

岩田規久男副総裁は黒田の尻を蹴飛ばしてリフレを十倍増させるべきだったと思う。

本稿の主張は、表題通り。岩田規久男は副総裁として、リフレの理論にもっともっと忠実に動き、黒田総裁を蹴飛ばしても締め上げても何をしてもいいので金融緩和をますます激化させてほしかったし、それができなかったのは不甲斐ないということだ。リフレ派の…

新年プロジェクト2018: The Economy

あけおめ(死語)。昨年は本当にろくでもない仕事が振ってきて、あまりのストレスで体重は一時5キロも減り (残念ながらその後リバウンド)、しかもそれが期間延長というトホホなことになって、秋に終わるはずが年内いっぱいかかり、ギリギリのところで何とか…

『人民元の興亡』:人民元をネタにした単なるゴシップ本。

人民元の興亡 毛沢東・鄧小平・習近平が見た夢作者:桂子, 吉岡発売日: 2017/05/24メディア: 単行本 うーん、せっかくもらった本なのであまり悪く言いたくはないんだが、もう少し何とかならなかったんだろうか。いや、おもしろいところはあるんだが、それがゴ…

こんなろくでもない守護霊に憑依されても、あんな立派な学者になれるんですね!

一応さあ、ピケティの関連本は一通りレビューしたいなとは思っててさあ、まあこの本もあることは知っていたんだけど、わざわざ定価で買って印税を一銭でも上納するなんて、霊的風紀維持法に違反するような気がするじゃない? だから古本で安く出回るまで我慢…