ゲバラ『革命の回想』と『革命戦争回顧録』対比

ただの読書キューバゲバラ書評社会主義

[f:id:wlj-Friday::plain] ゲバラのキューバ戦争記録の邦訳チェ・ゲバラの本は、同じものがあちこちからいろいろ出て題名も微妙に変わるので、同じものかどうかがわからずいろいろ面倒。以前、『ゲバラ日記』と称して出ているものが8種類もあることについて…

2023-08-06

チェ・ゲバラ広島行きの謎、および三好徹『ゲバラ伝』

お勉強カストロキューバゲバラ書評社会主義経済翻訳

いま訳しているゲバラ本、詳細なだけあって、とにかくおもしろいエピソード満載ではある。その一つが、1959年ゲバラの来日および広島訪問のエピソードだ。簡単に背景を。1959年1月、世界の驚きをよそにキューバ革命が成功してハバナは制圧されてしまい、新…

2021-12-20

ゲバラ夫人対決！教条主義イルダ VS ファッション至上アレイダ

むしろ感想文キューバゲバラ書評社会主義

Executive Summary チェ・ゲバラは2回結婚している。二人とも、回想記を書いている。最初の奥さんイルダ・ガデアは、ずっと年上だがペルーで過激派の重鎮だったため追放され、ゲバラをグアテマラとメキシコで急進的なマルクス主義勢力と接触させた人物。完…

2021-12-18

マシューズ『フィデル・カストロ』(1971)：提灯持ちと自己宣伝のかたまり。

ただの読書むしろ感想文キューバカストロゲバラ書評

Executive Summary マシューズ『フィデル・カストロ』は、キューバ蜂起の泡沫勢力でしかなかったカストロたちをシエラ・マエストラの山の拠点に訪ねて取材し、カストロこそが反バティスタの旗手という宣伝に加担したニューヨーク・タイムズ記者によるカスト…

2021-12-14

ラフィ『カストロ』：ほぼ唯一のまともな意味での伝記。視点も批判的だが明確で最新。

キューバカストロ書評社会主義毛沢東ゲバラ

Executive Summary ラフィ『カストロ』(原書房、2017) は、2021年時点で日本で出ている最新のカストロ伝。他の伝記が公式プロパガンダの羅列にとどまるのに対し、カストロに対するきわめて批判的な視点を元に、一般人がカストロの生涯を見て疑問に思う、革命…

2020-07-05

おまけ：太田昌国『チェ・ゲバラプレイバック』は、ビリーバー本ながら率直で好感は持てる

キューバゲバラむしろ感想文書評

チェ・ゲバラプレイバック作者:太田昌国発売日: 2009/01/01メディア: 単行本この本は変な本ではある。現代企画室を主宰し、チェ・ゲバラ関連の本をたくさん出してきた太田昌国が、基本的にはゲバララブを貫徹しつつも、擁護しきれず変な妄想に走っていると…

2020-06-24

Castaneda, The Life and Death of Che Guevara: 闘争論ならぬ逃走論としてのゲバラ伝？

ゲバラキューバ書評社会主義

乗りかかった船なので片づけてしまおう。メキシコの政治学者によるゲバラ伝。 Companero: The Life and Death of Che Guevara (English Edition)作者:Castaneda, Jorge G. VintageAmazon これまたアンダーソンのもの、タイボIIのものと並び、1997年に出版さ…