
- 作者:エルネスト・チェ・ゲバラ
- 発売日: 2012/06/11
- メディア: 単行本
1956-1958年、ゲバラがハバナに進軍して制圧し、キューバ革命を成功させる前夜のお話。官軍の武勇伝といったところだが、どうしてこれまで未公開だったのかはよくわからない。欠落があるのでどうしたこうしたとか書いてあるが……。
当時の手記そのものなので、断片的で散漫。ゲバラのものなら鼻紙でもありがたいと思うマニアでなければ、特に読む必要はないだろう。アマゾンレビューでは、本書をもとに地図を作ったりしている人がいるようで、こうしたマニアックな試みの材料としてはよいようだが、普通の人に読めと勧めたいものではない。
その後の、反革命勢力の大量粛正をやったときの手記とか、中央銀行総裁になってお金を廃止しようとか画策していたときの考えにつながるものとか出てきたらおもしろいんだが、そういう有益なネタも特に見られない。これまでに出ている整理された日記などを読んで、まだ足りない人にはいいかもしれないが、それ以外の人は特に手に取る意義はないと思う。

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