この監督は、ミュージックビデオを撮っていた時代にも、REM のLosing My Religion ではタルコフスキーをそのままパクり、現代アートをパクり、ディープフォレストのスイート・ララバイではセルゲイ・パラジャーノフの映画をほぼそのまま、自分なりの加工まったくなしにそれっぽく再現して、ほとんど剽窃まがいの作品ばかり作ってきました。
本作でも相変わらずで、パラジャーノフっぽい映像やホドロフスキーっぽい映像、ブラザース・クエイほぼそのままの映像、とにかくたくさん映画を見てきた人ならそのあまりの厚顔ぶりに怒りすらおぼえる代物です。石岡瑛子の衣装はすばらしいものですし、下敷きにされている各種映画は一流なので、その恩恵で美しく見える映画ですが、その美しさはほとんどすべて借り物でしかなく、空疎きわまりないものです。
ほんと、こいつみたいなのこそ著作権訴訟にあってつぶれてしまえと思うんだが。レビューを見ると、こんなのでもみんなだまされて感動してるんだよな。
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