宮田律『イラン革命防衛隊』:歴史経緯と現状整理としては有益だがそこ止まり。

イラン革命防衛隊

イラン革命防衛隊

イラン革命防衛隊は、イスラム親衛隊みたいな武装組織で、民兵団の指揮をしてスパイ活動や経済活動にも手を染め、そのOBたちがいまやイランの政治中枢にも入り込んでおり、対外工作活動なんかもあれこれやっていて、同時に当然ながら国内の民主化弾圧も積極的にやっていて、いまやイランの先行きを左右する一大組織となり、テロとのつながりで世界にとっても脅威となりつつある、という本。歴史的経緯と現状整理としては勉強になります。ときどきジェーンズのインテリジェンスレビューやテロ&セキュリティの記事に出てきたけど全貌はよく知らなかったし。でもそれでおしまいなのが残念。なんだかんだで、今後も注視したい、というだけだから。ジェーンズのリスクアセスくらいの将来分析がほしいなあ。でも必要な人は読むんじゃないですか? 悪い本ではないが特に書評する必要は感じなかった。



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