モスコウィッツ&ワーサイム『行動経済学スポーツ』:行動経済学部分はおもしろんだが、スポーツのほうがどうも……

オタクの行動経済学者、スポーツの裏側を読み解く

オタクの行動経済学者、スポーツの裏側を読み解く

スポーツ界にはいろんな不合理な信仰があるけれど、行動経済学的にはそれらも意外と(正しくはないにしても)理由があるかもよ、という本。

ただ……ごめん、この評者はフットボールもバスケットボールもあまり興味がないので、ここで挙がっているネタのいろんな「つかみ」がまったく効かないんだよね。知らないチームのよくわからん成績の話をされても、どう反応していいやら。いまいるインドはクリケット大好き国で、テレビでしょっちゅうやっているんだけど、まるっきりわからん。そこまでひどくはないにしても、なんかそれに近い「まあ勝手にやってくださいな、こんなもんに熱狂できる人が不合理なことやるのは仕方ないんじゃないですかー」感が読んでいる間、一分に一度くらいはやってくる。

行動経済学的な説明の部分はおもしろいんだが、これは熱狂的なスポーツファンが「おお、そうだったか!」と身を乗り出しつつ紹介すべき本で、ぼくではぜんぜんダメ。パスします。



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山形浩生の「経済のトリセツ」 by 山形浩生 Hiroo Yamagata is licensed under a Creative Commons 表示 - 継承 3.0 非移植 License.