『燃えよピンポン』:ううう、マギーQ様、ウォーケン殿、おいたわしや……

燃えよ!ピンポン [DVD]

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いやあ……ひどい代物だった。昔、出張先のテレビで一部だけちょろっと見て、笑えるかもと思ったのがまちがいだった。

ソウルオリンピックで、全米の期待を背負いながらも敗北を喫して、その後はしがないピンポン芸人として暮らしている主人公が、FBIの名を受けて、暗黒裏組織の正体を探るべく、その親玉が主宰する裏殺人ピンポン大会に潜入しようとし、そのためにチャイナタウンのピンポン名人の姪っ子(マギーQ) の特訓を受け……という書いているだけでもどうしようもないストーリーの、かなりおもしろくないギャグ満載のコメディ映画。編集もひどくて、特典映像のカッとされたシーンを見て初めて「あ、あの写真はこういう意味があったのか!」とわかるとか、そのままではスジが通らないようなものになっている。

マギーQはたいへん気に入っていて、彼女の映画は結構見ているんだが、かなりひどいものにもたくさん出ていて、そろそろ仕事選べよー、という感じ。売れない時代ならさておき、この映画もMI:4 の後で出たというのでひっくりかえる。まして、悪の裏ピンポン界帝王役で出てきたクリストファー・ウォーケンは、いったい何考えてこんなの出たんだ??!!

ぼくが留学していた頃に MTV で「The State」という、すぐに打ち切りになったおもしろくないコメディシリーズをやっていたんだけど、その残党が作った映画らしい。その意味では懐かしかったんだけど……

唯一嬉しかったのは、チャイナタウンのアングラピンポン界のチャンピオンであるドラゴンのしゃべる中国語が聞き取れたこと。少しずつだけど勉強の成果があがっているなあ。でも、そんなのこの映画である必要ないし−。



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