Thomas Pynchon Against the Day あらすじ 5

Against the Day

Against the Day


承前

さてイェール大学にいったキットは、初めて資本家ヴァイブ本人と会う。かれには、エチエンヌ・ルイ・マル号で北極にいった不詳の息子以外に何人か息子や娘がいて、不詳の息子フリートウッド・ヴァイブはシオニズム国家をアフリカに作るとか言う話をしている。

さらにこちらは前出のリュウくん(最初のほうに出てきた探偵よ)だが、悪名高いダイナマイト犯のキーゼルグア・キッドなる人物を追ってコロラドにいる……と思ったらデンバーにいたりしている……と思ったらシカゴに戻ってきたみたいで、そこでいきなりリュウの変な症状が発現して(シクロプロパンとダイナマイト爆発、つまりシクロマイトで生じるとか)、あらゆるものが結晶のような多面的な存在としてマルチプレックスに見えるようになってしまって、なんだか知らないがサイキック探偵となるべくイギリスに向かう。

ところでアナキスト団でキットの父親だったウェッブは地域支部のボスになっていたが、労組つぶしを狙う鉱山所有者協会の差し金でモルモン教の本拠地ユタ州に向けて連れ出され、その途上で暗殺されてしまう。


で、突然フランクとその兄のリーフというのが出てきて酒場の女の子としゃべくったりしているんだが、しばらくしてかれらがウェッブの息子らしいというのがわかる。そして拉致された父を追ってリーフはユタ州ジェシモンに向かう。だがそこでかれは父の死を知り、そして殺し屋たちを取り逃がしてしまう。父親の死体を持ってリーフはジェシモンを逃げだす。実はさっき出てきたダイナマイト犯のキーゼルグア・キッドの正体は父親ウェッブだったらしい。


ところでイギリスに向かったリュウくん、TWIT (聖なるテトラクテュス真の崇拝者団)に向かうが、ここはブラヴァツキーの神智学協会やら黄金の夜明け騎士団やらとタメを張るところで新ピタゴラス派的な叡智のあり方を追求しており、そこに加入して内アジアから連れてこられたヤシュミンと知り合う。タロットカードの読み方なんかを教わるうちに霊媒マダム・エスキモフのところにつれてこられる。当方問題のさなかにオスマントルコ地域やアジアをめぐる知識について張り合うレンフリュー教授(英)とその逆さ綴りのヴェルフネル教授(独)の小競り合いの中でバグダッド鉄道(3B計画)建設をめぐる情報収集途上でコンスタンチノープルで客死したエージェントからのメッセージを受信しようとするとかなんとか。リュウはレンフリュー博士と数学者用パブのラプラシアンで面会。クリケットの試合で毒ガスボールを投げるヘディングリーを捕まえてくれと依頼される。*1


(つづく)



クリエイティブ・コモンズ・ライセンス
山形浩生の「経済のトリセツ」 by 山形浩生 Hiroo Yamagata is licensed under a Creative Commons 表示 - 継承 3.0 非移植 License.

*1:何が伏線で何が脱線なのやらさっぱりわからないのであらすじもわけわからんでございます。