2012-06-01から1ヶ月間の記事一覧

吉田編『変貌する聖徳太子』:聖徳太子信仰の変遷を描いて、それにともなう日本人の宗教観や聖人観を探ったおもしろい論文集

変貌する聖徳太子 日本人は聖徳太子をどのように信仰してきたか作者: 吉田一彦出版社/メーカー: 平凡社発売日: 2011/12/08メディア: 単行本購入: 4人 クリック: 243回この商品を含むブログ (2件) を見る専門家が集まった論文集というのは、その業界の関心事…

本郷『カブトムシとクワガタの最新科学』:メジャーでとっくに研究し尽くされてると思ったら! 

カブトムシとクワガタの最新科学 (メディアファクトリー新書)作者: 本郷儀人出版社/メーカー: メディアファクトリー発売日: 2012/06/29メディア: 新書購入: 9人 クリック: 210回この商品を含むブログ (12件) を見る今更ネタがあるのかと思って半信半疑で読み…

市野川『社会学』:後書きで書いている通り、全部書き直してほしいと思う。

社会学 (ヒューマニティーズ)作者: 市野川容孝出版社/メーカー: 岩波書店発売日: 2012/06/08メディア: 単行本(ソフトカバー)購入: 2人 クリック: 120回この商品を含むブログ (1件) を見るこれが社会学業界の中の人に向けた、社会学の基本論点整理ならこれ…

エッケルト『原子理論の社会史』:ゾンマーフェルト学派の評伝なんだが、ちょっと専門的すぎ。

原子理論の社会史―ゾンマーフェルトとその学派を巡って作者:ミヒャエル エッケルト海鳴社Amazon 19世紀末あたりからの原子理論の研究と発達において、特にドイツではゾンマーフェルトを中心とした人々が、ある学派とも言うべき物を構築して活躍し、それはそ…

チェ・ゲバラ革命日記:キューバ革命前夜の日記だが、日記なので散漫。

チェ・ゲバラ革命日記作者:エルネスト・チェ・ゲバラ発売日: 2012/06/11メディア: 単行本1956-1958年、ゲバラがハバナに進軍して制圧し、キューバ革命を成功させる前夜のお話。官軍の武勇伝といったところだが、どうしてこれまで未公開だったのかはよくわか…

チャトウィン『どうして僕はこんなところに』:たぶんぼく以外の人には理解できまい、とおそらく多くの読者が思う本。

どうして僕はこんなところに (角川文庫)作者: ブルース・チャトウィン,池央耿出版社/メーカー: 角川書店(角川グループパブリッシング)発売日: 2012/06/22メディア: 文庫購入: 13人 クリック: 479回この商品を含むブログ (17件) を見るWhat am I doing here. …

ウォルツァー『政治的に考える』:理念と現実のせめぎあい

政治的に考える―マイケル・ウォルツァー論集作者: マイケルウォルツァー,デイヴィッドミラー,Michael Walzer,萩原能久,齋藤純一出版社/メーカー: 風行社発売日: 2012/04メディア: 単行本購入: 3人 クリック: 400回この商品を含むブログ (5件) を見るいま、現…

モスコウィッツ&ワーサイム『行動経済学スポーツ』:行動経済学部分はおもしろんだが、スポーツのほうがどうも……

オタクの行動経済学者、スポーツの裏側を読み解く作者: トビアス・J・モスコウィッツ,L・ジョン・ワーサイム,望月衛出版社/メーカー: ダイヤモンド社発売日: 2012/06/08メディア: 単行本(ソフトカバー)購入: 1人 クリック: 137回この商品を含むブログ (11…

都甲『21世紀の世界文学30冊』:紹介としてはよいながら視野が狭く筋が通っていない。

21世紀の世界文学30冊を読む作者:都甲 幸治発売日: 2012/05/01メディア: 単行本世界文学、と称しつつ紹介されているのは英語の小説、特にアメリカ中心。著者もそれを気にしているようで、「はじめに」であれこれ言い訳する。英語も大してできないし(まあこ…

カヴェーリン『二人のキャプテン』:うーん、ぼくの期待していたカヴェーリンではなかった。

二人のキャプテン作者: ヴェニアミン・アレクサンドロヴィチカヴェーリン,入谷郷出版社/メーカー: 郁朋社発売日: 2012/05メディア: 単行本 クリック: 56回この商品を含むブログ (2件) を見るカヴェーリンは「師匠たちと弟子たち」も「ヴェルリオーカ」も好き…

ガードナー『専門家の予想はサルにも劣る』:よい本。特にエーリックの醜態は見物。

専門家の予測はサルにも劣る作者: ダン・ガードナー,川添節子出版社/メーカー: 飛鳥新社発売日: 2012/05/23メディア: 単行本購入: 5人 クリック: 210回この商品を含むブログ (5件) を見る 専門家の予想というのはなかなか当たらん、それどころか専門家はみん…

コリアー『収奪の星』

収奪の星―― 天然資源と貧困削減の経済学作者: ポール・コリアー,村井章子出版社/メーカー: みすず書房発売日: 2012/03/20メディア: 単行本購入: 4人 クリック: 149回この商品を含むブログ (8件) を見る資源は途上国にとって諸刃の剣だ。収入は増えるが、利権…