カヴェーリン『二人のキャプテン』:うーん、ぼくの期待していたカヴェーリンではなかった。

二人のキャプテン

二人のキャプテン

カヴェーリンは「師匠たちと弟子たち」も「ヴェルリオーカ」も好きで、この本もすごく期待してはいた。が、なんか幻想文学は書いてはいかんということになって、とってもぶあついリアル小説になっていて、ちょっとあてがはずれた。それでもおもしろければ、とがんばって読んではみたが(これをインドまで持ってくるのは重かった)、特に悪いとも思わなかった一方で、すごくいいとも思わず。パスです。個人的に、久々のカヴェーリンだし、郁朋社は応援したい気はあるし、独学でロシア語を学んで翻訳した訳者の話は感動的だし、これを枕になんか書けるんじゃないかと思案はしたんだけど……本それ自体についてすごく書きたい気がおきないと、周辺エピソードだけではちょっと無理。



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