2026-06-01から1ヶ月間の記事一覧

スタニスワフ・レム 評論まとめて紹介

Executive Summary ポーランドのSF巨人スタニスワフ・レムのこれまで日本でまったく紹介されてこなかった評論系著作、このブログで散発的に行った紹介をまとめて要約。 『対話』(1957)は、サイバネティクスという新しい概念で複雑なフィードバックを持つ生命…

レム『偶然の哲学』要約:読者の読み方は偶然に左右される、というアイデアはいいんだが……

Executive Summary 文学理論を自然科学的に理論化すべきだ、という考えを実践しようとした1968年の野心的な著作。ただし情報理論、生物学、構造主義、社会学、サイバネティクスなど様々なジャンルでの知見と小説およびその受容との間に似たような部分がある…

レム『技術大全』幻の削除章「芸術と技術」:異様に普通でおもしろい

Executive Summary スタニスワフ・レム『技術大全』(1964)は、初版が評論家に酷評されたため、2版以降では「芸術と技術」という章が削除されていた。この幻の章を初版から翻訳した。内容は、技術発展で無限複製と瞬時の情報伝達が可能になるため、芸術を成立…

レム「グラフの中の侯爵:ゲーム理論が導出するサド」(1978)

Executive Summary 人間と世界との関係を図式化し、そこから小説のジャンル分類を行った結果、「反おとぎ話」という新ジャンルを発見した……が、そこにサド作品が見事におさまる! というレムの論説。ゲーム理論のような形式を使って己の知識を誇示するだけか…