Executive Summary
2023年6月24日に起きた、傭兵団ワグネルグループによる反乱、通称プリゴジンの乱が治まった後の、プーチン大統領玉音放送。社会の団結のおかげで危機を切り抜けられた、これはロシアの分断を図る外部の連中の仕業、その首謀者はすべてわかってやっていた、ワグネルグループの兵士や指揮官も実は首謀者に騙されていただけ、改心したなら正規の軍や公安に入って過ちを償え (!!)、とのこと。
ロシア国民に向けて
2023年6月26日 22:10 モスクワ、クレムリンにて
友人諸君、
本日、改めてロシア国民のみなさんに告ぐ。みなさんの自制、一体性と愛国心に感謝する。この国民的連帯は、あらゆる恫喝、国内騒乱を引き起こそうとするあらゆる試みが失敗を運命づけられていることを示すものである。
繰り返そう。社会と政府の行政法制部門はあらゆる階層で、高い団結ぶりを示した。公共機関、宗教の宗派、主要政党や、実際問題としてロシア社会のすべてがきっぱりと一線を保ち、憲法的な秩序を維持するという明示的な立場を採った。肝心なこと——父祖の地の運命に対する責任——が万人を団結させ、人々をまとめ上げたのである。
興った脅威を中和化し、憲法制度と国民の生命や安全を保護するために必要なあらゆる決断が、このできごとのきわめて初期から即座に下されてきたことを強調したい。
武装反乱はどのみち制圧されただろう。反乱を企んだ者は、適切さを失ってはいるが、それを理解していたはずだ。彼らはすべてを理解していた。自分たちの行動が犯罪的な性質のものであり、人々を二極化され、国を弱体化させることも知っていた。その国はいまや、すさまじい外部の脅威に対抗しており、外部からの空前の圧力を受けているのだ。彼らがそれをやったのは、同志たちが前線で「一歩も退くな!」を標語に命を落としているときだったのだ。
だが国とその国民を裏切った、この反乱の首謀者たちは、この犯罪に引き込んだ者たちをも裏切った。首謀者たちは彼らにウソをつき、死に追いやり、攻撃にさらし、自国民を撃つように強いたのだ。
ロシアの敵——キエフのネオナチども、その西側のご主人どもや他の国民的裏切り者ども——が見たかったのはまさにこの結果、分断だったのだ。ロシアの兵士たちがお互いを殺し合うようにしたかった。軍人や民間人が死ぬのを見たかった。ロシアがいずれ敗北し、我々の社会がばらばらになって、血みどろの内紛の中で消滅してほしいと思っていた。
やつらはもみ手をしつつ、前線での失敗や反攻なる代物の失敗に対する復讐を夢見ていたが、連中は誤算をしていた。
反乱者たちの前に立ち塞がった、あらゆる軍人、法執行担当者、特殊サービスの人々に感謝したい。その責務を、誓いと国民への忠誠を忠実に守った人々に。撃墜された英雄的パイロットたちの勇敢さと自己犠牲が、ロシアを悲劇的かつ悲惨な結果から救ってくれた。
同時にワグネルグループの兵士や指揮官の大半は、国民と国家に忠実なロシアの愛国者でもあることを、我々は以前から、そして今も知っている。ドンバスとノヴォロシア解放での戦場における彼らの勇気がこれを証明している。彼らを当人たちの知らないうちに利用して、祖国とその未来のために肩を並べて戦っている、武装した同志たちに刃向かわせようという試みが行われたのだ。
だからこそ、こうしたできごとが展開し始めると同時に、私の直接の指示に従って、流血を避けるための手段が講じられたのである。これには中でも時間がかかった。というのも間違いを冒したものたちは、気を変えて、自分の行動が社会によって強く拒絶されることに気がつき、自分たちが引き込まれた無謀な試みが、ロシアにとって、我が国にとって、どれほど悲劇的で悲惨な結果につながるものかに気がつく機会を与えられねばならなかったからだ。
正しい判断を下したワグネルグループの兵士や指揮官たちに感謝を述べたい——それ以外の決断はあり得なかった。彼らは国を分断する流血を避け、引き返せない地点に到達する前に止まってくれた。
今日、君たちは国防省か他の法執行機関や公安機関と契約してロシアへの軍務を続けるか、あるいは家に帰る機会が与えられる。行きたい者は自由にベラルーシに行ってもいい。私は約束を守る。繰り返すが、だれしも自分なりの決断を自由に下せるが、私は彼らの選択が、自分たちの悲劇的なまちがいに気がついたロシア兵としてのものだと信じる。
ベラルーシ大統領アレクサンドル・ルカシェンコに、状況の平和的な解決に向けた努力と貢献について感謝する。
この日々の間に、国民の愛国感情とロシア社会の団結が決定的な役割を果たしたことは繰り返しておきたい。この支持こそが、母国のとっての最大級の脅威と試練を共に切り抜けることを可能にしてくれたのである。
これについてお礼を申し上げる。