- 作者: ウォルター・アイザックソン,井口耕二
- 出版社/メーカー: 講談社
- 発売日: 2011/11/02
- メディア: ハードカバー
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はい下巻。で、下巻はジョブズがアップルに戻ってくるところから始まる。
で、そこで何が起こるか、もうみんな知ってるんだよねー。iMac出して、iPodでiTunesでiPhoneでiPad。そこで何か知らないことがある? ソフトとハードの融合したトータルなユーザー体験を重視――知ってます。ユーザーのコントロールの余地をなるべくなくし――知ってます。マイクロソフトはセンスがないと言っていて――知ってます。音楽が――知ってます。ああ、それと最後にもう一つ――知ってます。
とにかく目新しいこと皆無。アメリオをクビにするときに、バカといったかアホと言ったか、新しくわかることといえばそれに類する話ばっかり。グーグルへの罵倒くらいかなあ、知らなかったといえば。あとは家族がらみの話とプライベートな死を前にしたあれこれくらい(インチキ代替治療にはまって寿命を縮めたとか)。で、オチがつかず最後はジョブス語録みたいなのを羅列しておしまい。
ある意味で、この伝記が今出たのは幸運でもあり(ジョブスの葬式景気で売れるだろうから)、不幸でもあったと思う(みんな記憶が新しすぎて何を書いてもあくびをされてしまうから)。みんなが知ってる部分で目新しさを出そうとしてiナントカに後半ものすごい分量を割くがそのために些事の羅列になってなおさらまとまりがなくなるという。
さて、どう料理したもんか。
山形浩生の「経済のトリセツ」 by 山形浩生 Hiroo Yamagata is licensed under a Creative Commons 表示 - 継承 3.0 非移植 License.