ダレル『ムッシュー:アヴィニョン五重奏1』:キタ―――(゜∀゜)―――!!!

アヴィニョン五重奏I ムッシュー ---あるいは闇の君主 (アヴィニョン五重奏【全5巻】)

アヴィニョン五重奏I ムッシュー ---あるいは闇の君主 (アヴィニョン五重奏【全5巻】)

キタ―――(゜∀゜)―――!!!キタ―――(゜∀゜)―――!!!キタ―――(゜∀゜)―――!!! 原作が出てはや40年、ぼくが読んでからはや四半世紀。「予定ないんならぼくがやる」と手を挙げたこともあって、その際は、アレクサンドリア四重奏の改訳が出るのと同じくらいに出るらしいですよ、と言われてあきらめたけれど、それからもはや十年。

やっと出ました。まったくてめえ、おせえぞ!!!

……と訳者の藤井光に言うのはたぶん不当。十年前から藤井光が作業していたとは思えないので(だってもしそうだとしたら、この人二十歳過ぎからこれをやってたことになるもの)、もっと紆余曲折があったんだと思う。このまま最後までちゃんと出るんだろうなあ。再来年末だっていうんだが……

ダレルの文句なしの代表作『アレクサンドリア四重奏』の読み方は、大学時代とはまったく変わってしまった。かつてはひたすら陶酔するだけだった「ジュスティーヌ」の欺瞞がやっとわかり、それにつれてかつてはわからなかった、「マウントオリーブ」「クレア」の意味がようやく理解できた。このアヴィニョン五重奏でも、同じことが起こるだろうか? それが今から怖くもあり楽しみでもある。が、とりあえず出てめでたい。というわけで読むのはこれから。でも、出てよかった。

(個人的には『トゥンク』『ヌンクァム』二部作が一番お気に入りではあるんだよなー)



クリエイティブ・コモンズ・ライセンス
山形浩生の「経済のトリセツ」 by 山形浩生 Hiroo Yamagata is licensed under a Creative Commons 表示 - 継承 3.0 非移植 License.