2014-01-01から1年間の記事一覧

LifeLog is depressing because it proves how boring my life is.

The idea of life log is interesting. You record your whole life, and supposedly, you will be able to go back, maybe relive those exciting moments. So many precious moments went by in my life, never to be recovered, what a waste. I've seen …

ハッカー、ピンチョン、スティーブンスン

スノウ・クラッシュ〈上〉 (ハヤカワ文庫SF)作者:ニール スティーヴンスン早川書房Amazonシンセンで、ハッカースペースと華強北の電気街と工場とベンチャーとインキュベーション/アクセラレータとその他あれやこれやを見物してきて、非常におもしろかったん…

ピケティの予習に:オースティン、ゾンビ、ヴァンパイア

Capital in the Twenty-First Century作者: Thomas Piketty出版社/メーカー: Harvard University Press発売日: 2014/03/10メディア: Kindle版この商品を含むブログ (7件) を見るピケティ、半分終わりましたわよん。この調子でいけば年末はなんとかなりそうだ…

ピケティなんざ後回し! 

昨日ピケティをやっていて、何であれ年0.1パーセントの成長でも三世紀続くとものすごくでかくなる、という話が何十ページも続くので少し飽きたところで、TeXLive を2014 年版にアップデートしたりして寄り道をしていたが、突然 dvi ファイルが鬱陶しく思えて…

お金についての浅はかな話

要約 ケインズ 雇用と利子とお金の一般理論作者: 山形浩生,J・M・ケインズ出版社/メーカー: ポット出版発売日: 2011/11/16メディア: 単行本購入: 7人 クリック: 272回この商品を含むブログ (11件) を見るビットコインがらみでお金に関する本をいくつか読んで…

ピケティ『21世紀の資本』:せかすから、頑張って急ぐけれど、君たちちゃんと買って読むんだろうねえ……

Note (2014.08.04) What follows are some rants by the Japanese translator of "Capital in the 21st Century." I realized that it can be taken out of context (and that some people actually do such things), so I guess I need to explain what's g…

岩村『貨幣進化論』:進化してないじゃん。

貨幣進化論―「成長なき時代」の通貨システム (新潮選書)作者: 岩村充出版社/メーカー: 新潮社発売日: 2010/09メディア: 単行本購入: 4人 クリック: 37回この商品を含むブログ (13件) を見る「ビットコイン騒動で大注目!」なんて帯がついてるけど、これ読ん…

岩田規久男の講演会に行ってきた!

注:写真と本文はあまり関係ありません。 岩田規久男は、日銀副総裁になってから一部の人に引きこもりとまで揶揄される露出の少なさで、人前に顔を出すのは久々という感じ。で、今日は如水会館で講演があったので、のぞいてきたよ!……といっても、先日の黒田…

ハーンスタイン&マレイ『ベルカーブ:アメリカ生活における知能と階級構造』(1994)

The Bell Curve: Intelligence and Class Structure in American Life (A Free Press Paperbacks Book)作者:Herrnstein, Richard J.,Murray, CharlesFree PressAmazon はじめに Bell Curve という本のことを聞いたことがある人は、それなりにいるだろう。で…

サックスのミレニアムビレッジと、イースタリーの批判

しばらく前にイースタリーが、サックスの肝いりで始まったミレニアムビレッジの批判をやっとうたんよ。 ウィリアム・イースタリー「援助議論の終焉―ジェフリーサックスによるミレニアム村の失敗―」 (道草) まあサックスとイースタリーのケンカはいつもなが…

喫煙レモンの理論のアプレット

数日前に書いたことを、アプレットを使ってモデル化してくれた人がいる。保住有信さんで、以下のような話。 私は山形さんのブログの一読者です(ちなみに、「経済学101」でもたまに翻訳を寄稿しているので、そちらでお目汚ししたことがあるかもしれません)…

落合『漢字の成り立ち』:明解。白川静や藤堂について客観的に評価がわかって嬉しい。

漢字の成り立ち: 『説文解字』から最先端の研究まで (筑摩選書)作者: 落合淳思出版社/メーカー: 筑摩書房発売日: 2014/04/14メディア: 単行本この商品を含むブログ (12件) を見るわかりやすーい。漢字の歴史を概観し、これまでの字源の研究を批判的に振り返…

喫煙レモンの理論:社会的規制強化の暴走について

(写真はSUGINOTEより拝借)朝日新聞にこんな記事が出ている。喫煙者が行き場がなくて公園にたまり、公園がどうしようもなくなっているというような話。http://digital.asahi.com/articles/DA3S11193516.html?iref=comkiji_txt_end_s_kjid_DA3S11193516これは…

モフセンマフマルバフ『アフガニスタンの仏像……』:ごめんなさい、確かに「ヨハネスブルグ……」登場のものとはちがってました。

アフガニスタンの仏像は破壊されたのではない恥辱のあまり崩れ落ちたのだ作者: モフセンマフマルバフ,Mohsen Makhmalbaf,武井みゆき,渡部良子出版社/メーカー: 現代企画室発売日: 2001/11メディア: 単行本購入: 3人 クリック: 39回この商品を含むブログ (17…

高田『情報汚染の時代』:オマエモナー

(角川EPUB選書)" title="情報汚染の時代 (角川EPUB選書)">情報汚染の時代 (角川EPUB選書)作者: 高田明典出版社/メーカー: KADOKAWA / メディアファクトリー発売日: 2014/06/10メディア: Kindle版この商品を含むブログ (1件) を見る題名見て、「…

宮内『ヨハネスブルグの天使たち』:嫌いではないが背景設定が無理すぎ

ヨハネスブルグの天使たち (ハヤカワSFシリーズ Jコレクション)作者:宮内悠介早川書房Amazon うーん、困ったなあ。 全体的な雰囲気は嫌いではない。トーンはモノローグ調。戦争あるいはスラム化等した雰囲気の中で、荒んだ心を抱える語り手がある種の人間的…

エゴサーチ: 富岡日記とSF業界の後編

(承前)で、2014年5月に『富岡日記』関連の話題以外で、もう一つ山形が話題にのぼっている話が……大森望が日本 SF 作家協会に入れなかった話。その原因は、巽孝之と小谷真理が大森望にずっと私怨を抱いているから、ということなんだが、それをさらに悪化させ…

『エンダーのゲーム』:うーんつらいわ。

エンダーのゲーム ブルーレイ+DVDセット [Blu-ray]出版社/メーカー: ウォルト・ディズニー・ジャパン株式会社発売日: 2014/05/21メディア: Blu-rayこの商品を含むブログ (11件) を見るつらいなあ。ストーリーを追うのに精一杯で、他のことにまで手がまわらな…

エゴサーチ:富岡日記とSF

富岡日記 (《大人の本棚》)作者:和田 英みすず書房Amazonツイッターで、2014年4月末にエゴサーチをしてみると、何やら突然二種類のネタでもりあがっていて、騒動好きのワタクシといたしましては嬉しい限り。一つ目のネタは、富岡製糸工場が世界遺産入りする…

モーム『パーラーの紳士』:せっかく全訳あるので

The Gentleman In The Parlour作者:Maugham, W. SomersetVintage ClassicsAmazonサマセット・モームは、決して好きな作家ではない。大学一年生の英語(およびその前の受験英語)でいろいろ無理に読まされたが、気取っていてもったいぶって古くさいと思ったし…

『ティモシーなんとか』:既訳ひどすぎじゃね?

またまた翻訳のグチ。そろそろシリーズ第一作の改訳版が出るようで(ゲラも戻しました)、第二作目はまあそんなに改めるべきところはなく、さくっと流して訳し終えかけてるんだが、第三作目を見始めてぶち切れ。なんですの、既訳のあの機械翻訳さながらの金…

スタインバーグ『ビスマルク』:うーん、パス

ビスマルク(上)作者: ジョナサンスタインバーグ,小原淳出版社/メーカー: 白水社発売日: 2013/08/30メディア: 単行本この商品を含むブログ (5件) を見るうーん、ちょっとこれは手を出したのが無謀だった。ビスマルクって、鉄血宰相とかドイツをまとめたとか伊…

消費税引き上げ前夜に:2014年の経済ジャーナリズム (月刊Journalism 没原稿)

Journalism 2014年1月号出版社/メーカー: 朝日新聞出版発売日: 2014/01/10メディア: 単行本この商品を含むブログ (2件) を見るもうすぐ消費税率引き上げなので、その前に昨年末に書いた原稿をアップしておく。朝日新聞の雑誌「Journalism」が、2014 年の経済…

柳下『皆殺し映画通信』:一気に読んではいけません。

皆殺し映画通信作者: 柳下毅一郎出版社/メーカー: カンゼン発売日: 2014/03/20メディア: 単行本(ソフトカバー)この商品を含むブログ (11件) を見る柳下の、ダメ日本映画紹介本。紹介されているクズ日本映画のどれも、明らかにくだらなそうだけれど、柳下の…

ドラゴン・ヒストリーときたか!

ナチスのキッチン作者: 藤原辰史出版社/メーカー: 水声社発売日: 2012/06メディア: 単行本 クリック: 7回この商品を含むブログ (21件) を見る昨日の書評のあとで少し見ていたら、変なものに遭遇。ナチスのキッチンが、なぜかアメリカアマゾンにも出ているん…

藤原『ナチスのキッチン』:せっかくの調査が強引なイデオロギーはめこみで台無し。

ナチスのキッチン作者:藤原 辰史水声社Amazonナチスというのは、とってもおもしろい存在だ。ビジュアルなこだわり、異様な合理性の追及の一方で、変なオカルトへの耽溺、あれやこれや。いろんな細かい部分をこだわって考えたりしているので、建築でも経済で…

「宇宙SFの現在」の感想

Space, the Final Frontier?作者: Giancarlo Genta,Michael Rycroft,Franco Malerba,Michael Foale出版社/メーカー: Cambridge University Press発売日: 2003/02/13メディア: ハードカバーこの商品を含むブログ (1件) を見る稲葉振一郎がシノドスに「『宇宙S…

Wasik Keynes's Way to Wealth : ケインズの具体的投資法はおもしろいが画期的ではない

Keynes's Way to Wealth: Timeless Investment Lessons from The Great Economist (English Edition)作者:Wasik, John F.発売日: 2013/11/29メディア: Kindle版 2013/11/19 山形浩生 Executive Summary 世界金融危機の後で再びいちやく注目を浴びているジョ…

ケインズ「お金の改革論」

エンゲルスからちょっと寄り道して、若き日のケインズ。ケインズがマネタリストでもっと明解な文章を書いた頃の代物の全訳。まだ「ケインズ経済学」にはなっていない。その一方で、ブレトン=ウッズ体制につながるアイデアの萌芽は出ている。貨幣数量説全面…

パワーズ『幸福の遺伝子』:同じ話の繰り返し。

幸福の遺伝子作者: リチャードパワーズ,Richard Powers,木原善彦出版社/メーカー: 新潮社発売日: 2013/04メディア: 単行本この商品を含むブログ (15件) を見るパワーズ、『ガラテイア2.2』でもうかなり見放していたんだが、一冊で何がわかろうかいとも思うし…