翻訳
すでにご存じの方もいると思うけれど、また山形&守岡訳で、ウィーラン『MONEY』が出る。 MONEY もう一度学ぶお金のしくみ作者:チャールズ・ウィーラン発売日: 2017/12/18メディア: 単行本 これは実は、これまで出た『経済学をまる裸にする』『統計学をまる…
つい先日、拙訳でサンスティーン『スター・ウォーズによると世界は』(早川書房)が出た。 スター・ウォーズによると世界は作者: キャス・R.サンスティーン,Cass R. Sunstein,山形浩生出版社/メーカー: 早川書房発売日: 2017/11/21メディア: 単行本この商品を…
翻訳についての人の感想は様々だ。そして翻訳がちょっと面倒なのは、それが訳者だけのオリジナルではないからだ。原文があって、それをもとに翻訳は行われる。ある訳文があって、それがある読者にとっては読みにくいと思えた。それはだれのせいかといえば………
一部の方はご存じだろうけれど、こんな本の翻訳を終わっていま怒濤のゲラ直し中なのだ。 クルーグマン国際経済学 理論と政策 〔原書第10版〕 ハードカバー版作者: Paul R. Krugman,Maurice Obstfeld,Marc J. Melitz,山形浩生,守岡桜出版社/メーカー: 丸善出…
え、チョムスキーってこんなことになってんの、というのが面白かったので、例によって勝手に翻訳して紹介。ぼくはおもしろいと思うんだけれど、昔朝日新聞にチョムスキー本の書評をのせたら、finalventがなにやら山形はまるっきりわかっていないと言いたげな…
The Doctrine of Fascism作者: Benito Mussolini出版社/メーカー: Howard Fertig発売日: 2006/09/01メディア: ペーパーバックこの商品を含むブログを見る 前にムッソリーニの伝記を書評したとき、いくつかムッソリーニ関係の本を読んだんだけど、見てみると…
はい、先月末にはじめたケインズ「平和の経済的帰結」、終わったぜ。乞食ども、持ってきやがれ。 ケインズ「平和の経済的帰結」(pdf 1.2 Mb, 商業的に出そうなので公開停止) そのときに述べた通り、題名のPeaceは、講和条約のことではあるんだけれど、文中で…
もはや泥沼というしかないユーロ情勢。えらそうなこと言ってるドイツだって、借金まともに返してないじゃないか、というピケティの突っ込みがあったけれど、それはまともな歴史感覚と、適切な金貸しとしてのバランス感覚がある人ならみんな思ったこと。が、…
ちょっと気が向いて、若き日のエンゲルスのルポを訳しはじめたのが1年ほど前だったけど、ぼちぼちやってるうちに終わりました。エンゲルス自身が若書きだと言っているので、若々しくしてみた。産業革命の成果にものすごく興奮しつつ、一方で労働者のひどい状…
昨日ピケティをやっていて、何であれ年0.1パーセントの成長でも三世紀続くとものすごくでかくなる、という話が何十ページも続くので少し飽きたところで、TeXLive を2014 年版にアップデートしたりして寄り道をしていたが、突然 dvi ファイルが鬱陶しく思えて…
Note (2014.08.04) What follows are some rants by the Japanese translator of "Capital in the 21st Century." I realized that it can be taken out of context (and that some people actually do such things), so I guess I need to explain what's g…
The Gentleman In The Parlour作者:Maugham, W. SomersetVintage ClassicsAmazonサマセット・モームは、決して好きな作家ではない。大学一年生の英語(およびその前の受験英語)でいろいろ無理に読まされたが、気取っていてもったいぶって古くさいと思ったし…
またまた翻訳のグチ。そろそろシリーズ第一作の改訳版が出るようで(ゲラも戻しました)、第二作目はまあそんなに改めるべきところはなく、さくっと流して訳し終えかけてるんだが、第三作目を見始めてぶち切れ。なんですの、既訳のあの機械翻訳さながらの金…
エンゲルスからちょっと寄り道して、若き日のケインズ。ケインズがマネタリストでもっと明解な文章を書いた頃の代物の全訳。まだ「ケインズ経済学」にはなっていない。その一方で、ブレトン=ウッズ体制につながるアイデアの萌芽は出ている。貨幣数量説全面…
ちょっと気が向いて、若き日のエンゲルスのルポを訳してみた。訳出したところは前置きで、おもしろいのはこの次の「大都市」の章。でもここまでの章も、エンゲルスが産業革命にすっごい興奮しているのがよくわかっておもしろいところ。エンゲルス自身が若書…
聖なる侵入 (創元推理文庫)作者: フィリップ・K・ディック,大滝啓裕出版社/メーカー: 東京創元社発売日: 1991/01メディア: 文庫購入: 3人 クリック: 9回この商品を含むブログ (12件) を見る大滝訳って、ヴァリスでもそうだけど、普通の英語をまともに訳せて…
ガラテイア2.2作者:リチャード パワーズみすず書房Amazon なぜかパワーズをちゃんと読むのは初めて。本書とか囚人のジレンマとか幸福遺伝子とか、科学っぽいネタを使った小説が得意というのは知っているけど、これまで敬遠していた。でも、本書でがっかりし…
Weight watchers (The Economist 2013/4/13号 p.69) 2002年にニューヨーク市長マイケル・ブルームバーグは「完全に好きにさせてもらえるなら、タバコ税を思いっきりあげて、そこからの税収がゼロになるくらいにするんですがね」と述べた。この戦闘的な市長は…
Abs-olutely fabulous (The Economist 2013/4/13号 p.76-77)女だって異性への期待は、男と同じくらい非現実的なのだ。男たちは昔から、女の求めているのはずばり何なのか悩んできた。中には「割れた腹筋」を約束するメンズ健康雑誌に導きを求める者たちもい…
昨日訳した早野龍五活動に関する記事の本国版に、コメントがついている。http://comments.sciencemag.org/content/10.1126/science.340.6133.678一つはぼくのもので、昨日の訳者コメントとほぼ同内容。でももう一つは、まあ例によって例のごとしの代物。Naoy…
デニス・ノーミル(Dennis Normile)原文:Insistence on Gathering Real Data Confirms Low Radiation Exposures (Science 10 May 2013: Vol. 340 no. 6133 pp. 678-679)(翻訳 山形浩生) 東京: 2011年3月、福島第 1 原子力発電所での惨事が展開する中で…