2012-07-01から1ヶ月間の記事一覧

藤沢『アフリカの風に吹かれて』:身辺雑記だけでは……

アフリカの風に吹かれて―途上国支援の泣き笑いの日々作者: 藤沢伸子出版社/メーカー: 原書房発売日: 2012/07メディア: 単行本購入: 1人 クリック: 51回この商品を含むブログ (2件) を見る援助の現場はかなりきつい状況だ。甘い顔をするとみんなにたかられる…

ラートカウ『自然と権力』:いろいろ事例は豊富ながら、結局なんなのかというのが弱くて総花的。

自然と権力―― 環境の世界史作者: ヨアヒム・ラートカウ,海老根剛,森田直子出版社/メーカー: みすず書房発売日: 2012/07/10メディア: 単行本 クリック: 58回この商品を含むブログを見る本書の基本的な主張というのは、別に環境問題というのは20世紀の工業化で…

ムーア『アルアル島』:うーん、やはり軽すぎ。

アルアル島の大事件 (創元推理文庫)作者: クリストファー・ムーア,青木純子出版社/メーカー: 東京創元社発売日: 2006/03/11メディア: 文庫購入: 2人 クリック: 76回この商品を含むブログ (6件) を見るスラップスティックコメディはまったく嫌いじゃないし、…

ビグロー監督『ハート・ロッカー』:結構地味でムズい映画。

ハート・ロッカー [DVD]出版社/メーカー: ポニーキャニオン発売日: 2010/09/02メディア: DVD購入: 4人 クリック: 689回この商品を含むブログ (150件) を見るハートブルーのビグローなので、なんか熱い/暑い男のドラマかと思ったら……唐突に始まって淡々と進ん…

ボードロ&エスタブレ『豊かさのなかの自殺』:うーん、いろいろ要因が複雑ってことはわかったが……

豊かさのなかの自殺作者: クリスチャン・ボードロ,ロジェ・エスタブレ,山下雅之,都村聞人,石井素子出版社/メーカー: 藤原書店発売日: 2012/06/25メディア: 単行本購入: 2人 クリック: 116回この商品を含むブログを見る社会学の創始者の一人デュルケムは、19…

米山『空き家急増の真実』:今後重要になる問題。

空き家急増の真実―放置・倒壊・限界マンション化を防げ作者: 米山秀隆出版社/メーカー: 日本経済新聞出版社発売日: 2012/06/02メディア: 単行本(ソフトカバー)購入: 25人 クリック: 563回この商品を含むブログ (11件) を見る真実といっても、別に特別な真…

ばるぼら/増渕『岡崎京子』本2冊:資料としてはありがたいが、崇拝者本にとどまり新しい視点をくれるものではない。

岡崎京子の研究作者: ばるぼら出版社/メーカー: アスペクト発売日: 2012/07/11メディア: 単行本購入: 3人 クリック: 94回この商品を含むブログ (14件) を見る この二冊が同時に出たというのは、基本的に映画「ヘルタースケルター」のタイアップ and/or 便乗…

大谷『都市空間のデザイン』:古代中世の話で9割が終わる都市空間デザイン論というものの現代的意義は?

都市空間のデザイン――歴史のなかの建築と都市作者: 大谷幸夫出版社/メーカー: 岩波書店発売日: 2012/02/09メディア: 単行本 クリック: 33回この商品を含むブログを見る ぼくは都市工学科で、大谷幸夫研究室の後継研究室の末席を汚す身でもあるし、大谷幸夫の…

悪魔の毒々ハイスクール2ヒューマノイドパニック:思いでのトロマは遠くにありて思うもの……

悪魔の毒々ハイスクール2 [VHS]発売日: 1992/04/24メディア: VHS以前から気になっていた、へそに口とベロのある遺伝子改造奴隷サブヒューマンの女の子と大学生との悲恋くだらなコメディ映画について、ふと思いついて町山智浩センセイに尋ねたところ、一発で…

Ben-Joseph Rethinking a Lot:駐車場の研究。悪くはないんだが……

ReThinking a Lot: The Design and Culture of Parking作者: Eran Ben-Joseph出版社/メーカー: The MIT Press発売日: 2012/02/17メディア: ハードカバー購入: 5人 クリック: 50回この商品を含むブログを見るなんと駐車場の研究書。駐車場は、凡庸で、単純で…

マーティン『北朝鮮「偉大な愛」の幻』(下):下巻はトピック中心のまとめ。その後の各種文献登場で目新しさには欠けるし、一部はすでに古いが、流し読みする価値はある。

北朝鮮「偉大な愛」の幻 下巻作者: ブラッドレー・マーティン,朝倉和子出版社/メーカー: 青灯社発売日: 2007/04/03メディア: 単行本購入: 10人 クリック: 27回この商品を含むブログ (3件) を見る下巻。下巻は上巻での歴史的なおさらいを終えて、いろんな亡命…

Chopper Chicks in Zombie Town: 立派なクズ映画。

メタルアマゾネス [VHS]出版社/メーカー: コロムビアミュージックエンタテインメント発売日: 1990/04/21メディア: VHS クリック: 6回この商品を含むブログを見る昔アメリカにいたとき、土曜か日曜深夜に USA Up All Night というのがあって、金髪巨乳のバカ…

Devil's Rejects: Rob Zombie!! 真面目なオマージュ映画。殺人それ自体が自由の発露だという……

マーダー・ライド・ショー2 デビルズ・リジェクト [DVD]出版社/メーカー: ソニー・ピクチャーズ エンタテインメント発売日: 2009/10/07メディア: DVD購入: 1人 クリック: 117回この商品を含むブログ (14件) を見るホワイト・ゾンビの親玉、ロブ・ゾンビの映…

「プロトタイプ・ターミネーター」:なんじゃこりゃあ、と腹がたったが、でも総予算300万円なら仕方ないよねー。

プロトタイプ・ターミネーター [DVD]出版社/メーカー: ラインコミュニケーションズ発売日: 2011/08/20メディア: DVD クリック: 100回この商品を含むブログを見るチープなお馬鹿映画キャンペーンということで、ビデオ屋にあったのをうっかり借りてきたのが運…

「アタック・オブ・ザ・ジャイアント・ケーキ」:ケーキじゃなくてムサカなんだけどね。

アタック・オブ・ザ・ジャイアントケーキ [DVD]出版社/メーカー: クリエイティブアクザ発売日: 2001/03/23メディア: DVD クリック: 21回この商品を含むブログ (6件) を見る下着姿の宇宙人ネーチャンが物質転送するときのまちがいで巨大ムサカになってしまい…

アメージング・スパイダーマン:3Dで観ないとあまり意味ない。脚本は前のやつに数段劣るけれど、ふつうによくできている。

最近はあらゆる映画を、飛行機の中でやるかどうかで判断するので、あまり映画館に行かなくなっているけれど、これは観た! 観るなら、まず3Dで観るのをお奨め。そうでないとあまり付加価値なし。さて映画そのものだが、何をおいてもまず……この騒動すべて、…

『燃えよピンポン』:ううう、マギーQ様、ウォーケン殿、おいたわしや……

燃えよ!ピンポン [DVD]出版社/メーカー: 東北新社発売日: 2008/08/06メディア: DVD購入: 2人 クリック: 67回この商品を含むブログ (12件) を見るいやあ……ひどい代物だった。昔、出張先のテレビで一部だけちょろっと見て、笑えるかもと思ったのがまちがいだっ…

マーティン『北朝鮮「偉大な愛」の幻』(上):長いがおもしれー。しかし後半はどうなるのやら。

北朝鮮「偉大な愛」の幻 上巻作者: ブラッドレー・マーティン,朝倉和子出版社/メーカー: 青灯社発売日: 2007/04/02メディア: 単行本購入: 14人 クリック: 577回この商品を含むブログ (3件) を見る北朝鮮建国から、金日成の生涯をかけぬけて、ジョンイルくん…

金『北朝鮮建国神話の崩壊』:インタビューや資料の追跡などのプロセスはおもしろい。ただ、明らかになる内容が必ずしも衝撃というわけじゃなくて……

北朝鮮建国神話の崩壊―金日成(キムイルソン)と「特別狙撃旅団」 (筑摩選書)作者:金 賛汀筑摩書房Amazon実は下のマーティンを読み始めたのは、この本を読んで、ここに書いてあることがどこまで目新しいのか確認したかったから。この本は、北朝鮮の建国神話の…

ラフ『バッド・モンキーズ』:映画にするとよさそうだが、二度は読めない

バッド・モンキーズ作者: マットラフ,Matt Ruff,横山啓明出版社/メーカー: 文藝春秋発売日: 2009/10メディア: 単行本購入: 2人 クリック: 773回この商品を含むブログ (32件) を見るかつてほめたマット・ラフの小説で、そのほめた話が訳者あとがきでも言及さ…

片岡『円のゆくえを問い直す』:異様な密度でアンチョコにさせていただきます。

円のゆくえを問いなおす―実証的・歴史的にみた日本経済 (ちくま新書)作者: 片岡剛士出版社/メーカー: 筑摩書房発売日: 2012/05メディア: 新書購入: 76人 クリック: 1,625回この商品を含むブログを見る異様な密度の新書。企業が円高で悲鳴を上げる中、一面的…

平野『ライブハウス「ロフト」青春記』:知ってる人には本当にジーンとくる本なんだが……

ライブハウス「ロフト」青春記作者:平野 悠講談社Amazon うーん、どうしたもんか。ロフトといえば、知っている人はみんな知っている、知らない人はまったく無縁な世界だけど、音楽のみならず最近のロフト+1とかでもアレだし、日本文化で重要なスポットではあ…

[書評]ヤスミナ『テロル』:すばらしい。

テロル (ハヤカワepiブック・プラネット)作者: ヤスミナ・カドラ,藤本優子出版社/メーカー: 早川書房発売日: 2007/03/23メディア: 単行本購入: 29人 クリック: 1,873回この商品を含むブログ (33件) を見る文学は死んだとか生きているとか半死半生だとか復活…

[朝日新聞書評ボツ本][書評]地井『漁師はなぜ海を向いて住むのか』:おもしろいんだが、自戒しつつも変な都会人妄想にはまるのが……

漁師はなぜ、海を向いて住むのか?作者: 地井昭夫出版社/メーカー: 工作舎発売日: 2012/06/22メディア: 単行本購入: 1人 クリック: 37回この商品を含むブログ (3件) を見るこの本はぼく以外の人が落札しているので、ひょっとしたら書評は出るかもしれない。だ…

[朝日新聞書評ボツ本][書評]大野『旅を生きる人々』:中途半端で視野が狭い

旅を生きる人びと―バックパッカーの人類学作者: 大野哲也出版社/メーカー: 世界思想社発売日: 2012/06/28メディア: 単行本(ソフトカバー)購入: 1人 クリック: 114回この商品を含むブログ (6件) を見るバックパッカーのフィールド調査をもとに、バックパッ…

カプラン『インド洋圏が、世界を動かす』:歴史の話はいいんだが、それが現代的なまとまりと意義を持つという説明が弱すぎ

インド洋圏が、世界を動かす: モンスーンが結ぶ躍進国家群はどこへ向かうのか作者: ロバート・D・カプラン,奥山 真司,関根 光宏出版社/メーカー: インターシフト発売日: 2012/07/06メディア: 単行本購入: 2人 クリック: 27回この商品を含むブログ (2件) を見…

池田『自滅する選択』:行動経済学と心理学の最近増えてきた本。簡潔でよいんじゃない?

自滅する選択―先延ばしで後悔しないための新しい経済学作者: 池田新介出版社/メーカー: 東洋経済新報社発売日: 2012/05/18メディア: 単行本購入: 14人 クリック: 532回この商品を含むブログ (14件) を見るぼくの訳したエインズリー『誘惑される意思』とか、…

共同通信『建物と日本人』:日本のいろんな建築を新旧とりまぜ紹介。ガイドブック的にはいい。

日本人と建物 移ろいゆく物語作者: 共同通信社取材班出版社/メーカー: 東京書籍発売日: 2012/06/21メディア: 単行本購入: 5人 クリック: 136回この商品を含むブログ (1件) を見るいろんな建物に人間エピソードをからめて紹介した、新聞連載の単行本化。悪く…

『尻怪獣アスラ』:いや、ぼくがバカでした。こんなものを観てしまうとは……

尻怪獣 アスラ [DVD]出版社/メーカー: アルバトロス発売日: 2005/11/03メディア: DVD購入: 1人 クリック: 191回この商品を含むブログ (11件) を見るなんか久々にチョーくだらない映画を観たいなーと思ってこれを観てしまった。いやあ……こういうのは大学時代…

『放射能を食えというならそんな社会はいらない』:おまえがいらない。

放射能を食えというならそんな社会はいらない、ゼロベクレル派宣言作者:矢部 史郎発売日: 2012/06/29メディア: 単行本(ソフトカバー) ゼロベクレル派宣言なんだって。シーベルトもなんか怪しい陰謀がらみだから信用できないって。でも、ふつうの食品もふつ…