お勉強

ハーバート・サイモン『意思決定と合理性』の翻訳がひどすぎなので、訳し直してあげました。

ハーバート・A・サイモンって個人的にとても好きなんだけれど、こないだふと『意思決定と合理性』という短そうな本を手にとったら、いやあ、唖然としてその後ワナワナするくらい翻訳ひでえわ。 意思決定と合理性 (ちくま学芸文庫)作者:ハーバート・A. サイ…

Qubes OS 4.0 をLenovo Thinkpad X230 Tablet に入れてみると

Qubes 4.01 を Lenovo X250 にインストールして、少しずつ環境を作るとまあ使えるようになってきました。特にフォントがきれいになると、結構いい感じ。 そこへたまたま、ヤフオクでジャンクの Lenovo X230 TABLETを落札してしまいました。タッチスクリーン…

Qubes OS 4.0 on Lenovo Thinkpad X230 Tablet: Very Wierd

After installing Qubes 4.01 on Lenovo X250, things were pretty comfortable. After installing some decent fonts, things were becoming really useful. And then, I happened to get my hands on a junk Lenovo X230 TABLET. This thing has a touch s…

Qubes OS 4.0 を Lenovo Thinkpad X250 にインストールしてみた

(See the English version here) Qubes4.0 on Lenovo X250 Qubes OSを、Lenovo Thinkpad X250にインストールしてみたので、ご報告。 2019年7月、ちょうどエドワード・スノーデンの自伝を訳し終えた。 prtimes.jp もちろんこういうのを読むとパラノイアになる…

Qubes OS 4.0 Installation for Lenovo Thinkpad X250

Qubes4.0 on Lenovo X250 This is a pseudo-novice guide for installing Qubes OS on an Lenovo X250. July 2019, I just finished translating the Autobiography of Edward Snowden into Japanese. Of course, this makes you paranoid. You start to sus…

ロシア未来派とコスミズム

モスクワのレーニン廟には、レーニンのミイラというか防腐死体があるのはもちろん有名な話だ。通常、それはソ連(およびその他)の社会主義が個人崇拝に堕した明白な印として嘲笑されることが多い(ベトナムのホーチミン廟と同じで)。そして、それ自体はま…

新年プロジェクト2018: The Economy

あけおめ(死語)。昨年は本当にろくでもない仕事が振ってきて、あまりのストレスで体重は一時5キロも減り (残念ながらその後リバウンド)、しかもそれが期間延長というトホホなことになって、秋に終わるはずが年内いっぱいかかり、ギリギリのところで何とか…

ピケティ『格差と再分配』読んだ!本文読んだぜコノヤロー!

格差と再分配:20世紀フランスの資本作者: トマ・ピケティ,Thomas Piketty,山本知子,山田美明,岩澤雅利,相川千尋出版社/メーカー: 早川書房発売日: 2016/09/21メディア: 単行本この商品を含むブログ (3件) を見る この本、出ると知って、でもだれが読むんだろ…

「国際経済学」サポートページ

クルーグマン国際経済学 理論と政策 〔原書第10版〕 ハードカバー版作者: Paul R. Krugman,Maurice Obstfeld,Marc J. Melitz,山形浩生,守岡桜出版社/メーカー: 丸善出版発売日: 2016/11/30メディア: 単行本この商品を含むブログ (2件) を見る 10月刊行予定の…

Obstfeld はやっぱオブストフェルド、だってさ。

一部の方はご存じだろうけれど、こんな本の翻訳を終わっていま怒濤のゲラ直し中なのだ。 クルーグマン国際経済学 理論と政策 〔原書第10版〕 ハードカバー版作者: Paul R. Krugman,Maurice Obstfeld,Marc J. Melitz,山形浩生,守岡桜出版社/メーカー: 丸善出…

The Economist に出た、最近のチョムスキー

え、チョムスキーってこんなことになってんの、というのが面白かったので、例によって勝手に翻訳して紹介。ぼくはおもしろいと思うんだけれど、昔朝日新聞にチョムスキー本の書評をのせたら、finalventがなにやら山形はまるっきりわかっていないと言いたげな…

え、ifconfig非推奨になったの……

久々に Linux いじってあちこち見てたらこのページ: yuuki.hatenablog.com え、ifconfig ってもう非推奨になったの??!! 知らなんだ。他にもあるのかな。なんか数年遠ざかっているうちにいろいろ変わってるみたいでキャッチアップが大変そうだ……

マクファーレン『イギリスと日本』:これまた産業革命の説明で、人口と疫病撃退のせいだというんだが……

イギリスと日本―マルサスの罠から近代への跳躍作者: アランマクファーレン,船曳建夫,工藤正子,北川文美,山下淑美出版社/メーカー: 新曜社発売日: 2001/06/25メディア: 単行本 クリック: 9回この商品を含むブログ (5件) を見る 産業革命はなぜ起きたか――ひい…

反知性主義3 Part 1: 内田編『日本の反知性主義』は編者のオレ様節が痛々しく浮いた、よじれた本。

しばらく間が空いた。で、反知性主義についての簡単なお勉強を経て、ぼくが手に取ったのは『日本の反知性主義』だった。 この本の題名は、明らかに『アメリカの反知性主義』を意識しているようだ。その一方で、この面子を見ると、ぼくが冒頭に挙げた『現代思…

反知性主義1: ホフスタッター『アメリカの反知性主義』 知識人とは何かを切実に考えた名著

はじめに 反知性主義をめぐる本を3冊読んだので、その話をちょっと書こう。なぜそんなものを読もうと思ったかというと、『現代思想』の「反知性主義特集」に対するアマゾンのレビューがぼくのツイッターでちょっと話題になっていたからだ。 「彼らは反知性主…

Sulloway Freud: Biologist of the Mind: うーん、こんなのが問題になるほどフロイト業界ってアレなのか?!(訂正:アレ「だった」のか?!)

Freud, Biologist of the Mind: Beyond the Psychoanalytic Legend作者: Frank Sulloway出版社/メーカー: Harvard University Press発売日: 1992/01/01メディア: ペーパーバック クリック: 31回この商品を含むブログ (1件) を見る家の本棚に10年以上転がって…

環境エネルギー政策研究所なるところの FIT 翼賛論は怪しすぎ。

日経 ビジネス Associe (アソシエ) 2012年 02月号 [雑誌]出版社/メーカー: 日経BP社発売日: 2012/01/10メディア: 雑誌購入: 2人 クリック: 71回この商品を含むブログ (4件) を見る「日経アソシエ」2012年2月号に、「2012年14の『大論点』」なる記事が出てい…

ハルバースタム『ベスト&ブライテスト』:組織内で苦しんだ人なら身につまされる、いろんな意味で絶望の名著。

ベスト&ブライテスト〈上〉栄光と興奮に憑かれて (Nigensha Simultaneous World Issues)作者:デイヴィッド ハルバースタム二玄社Amazon 読んだふりをしていた本をこっそりきちんと読み直すキャンペーンの一環で、ハルバースタム『ベスト&ブライテスト』を読…

岸田秀『嘘だらけのヨーロッパ製世界史』:あきれた。こんなトンデモ妄想垂れ流し読んで目が穢れたぜ。

嘘だらけのヨーロッパ製世界史作者:岸田 秀新書館Amazon黒いアテナをネタに、岸田がどうしようもない歴史妄想を垂れ流すだけの、ホンッと情けない本。なんでも、アフリカではみんな黒人だったんだけど、その中に白人が生まれたので差別されちゃって、それで…

シュライバー『失われた私』:インチキだと知って読むと、読むにたえないシロモノではある。

失われた私 (ハヤカワ文庫 NF (35))作者: フローラ・リータ・シュライバー,巻正平出版社/メーカー: 早川書房発売日: 1978/09メディア: 文庫購入: 2人 クリック: 110回この商品を含むブログ (6件) を見る有名な、16の人格が同居していたと称するシビルの治療…

森嶋通夫『ケインズの経済学』:読み始めたばっかりだが、引っかかるなあ。

森嶋通夫著作集〈10〉ケインズの経済学作者: 森嶋通夫出版社/メーカー: 岩波書店発売日: 2004/03/26メディア: 単行本 クリック: 23回この商品を含むブログを見るケインズ関係のお勉強で森嶋通夫だけれど、「無資源国の経済学」ってこれのことなのか! でも、…

西部邁『ケインズ』:安易な人物像や哲学談義に流れ、経済学者としての評価から逃げた本

ケインズ作者: 西部邁出版社/メーカー: イプシロン出版企画発売日: 2005/07メディア: 単行本購入: 1人 クリック: 69回この商品を含むブログ (12件) を見るケインズ (1983年) (20世紀思想家文庫〈7〉)作者: 西部邁出版社/メーカー: 岩波書店発売日: 1983/04メ…

IS-LMの発端:ヒックス「ケインズ氏と『古典派』たち」

ベネチアの運河のほとりで、趣味の翻訳の続き。これぞIS-LMモデルの出発点。J. R. ヒックス『ケインズ氏と「古典派」たち』 ほとんどの人はヒックスの原論文を読んだことがないはずなので。しかしこれでわかること。 ヒックスもちょー性格わりぃ。特に冒頭部…

他の人の間宮訳『一般理論』批判について

山岡洋一による『一般理論』間宮訳批判の批判をまちがって消してしまい、書き直すのも面倒なので放ってあったけれど、いま書き直そうかと思ってかれの批判を読み返してみると、やっぱり間宮訳のほうが誤訳で、山岡のほうが正しいと思う。六章の翻訳をすると…

ケインズ「一般理論」間宮陽介訳(岩波文庫):まだ続きます。ほんっと、だれか指摘してあげなかったの??

雇用、利子および貨幣の一般理論〈下〉 (岩波文庫)作者: ケインズ,John Maynard keynes,間宮陽介出版社/メーカー: 岩波書店発売日: 2008/03/14メディア: 文庫購入: 9人 クリック: 71回この商品を含むブログ (33件) を見る前回の続きです。もう自分で訳するあ…

吉川洋「ケインズ」(ちくま新書):伝記とケインズの理論や貢献、その後のケインズ経済学をバランスよく描いている

ケインズ―時代と経済学 (ちくま新書)作者:吉川 洋筑摩書房Amazon吉川洋のケインズ。ケインズの伝記的な事実から入り、インド時代から戦後のなんたら、お金の理論を経て一般理論へ、さらにはその後のルーカス批判等々を経て云々。非常に手堅い流れだし、読ん…

ケインズ「一般理論」間宮陽介訳(岩波文庫):古い、英語知らない、原文勝手に改ざん。

雇用、利子および貨幣の一般理論〈上〉 (岩波文庫)作者: ケインズ,間宮陽介出版社/メーカー: 岩波書店発売日: 2008/01/16メディア: 文庫購入: 8人 クリック: 296回この商品を含むブログ (54件) を見る見るまでもないと思っていたが、行きがけの駄賃。目を通…

宮崎義一・伊東光晴「ケインズ 一般理論(コンメンタール)」(日本評論社):ケインズを階級対立の先駆者として見ようという変な試み。

ケインズ一般理論作者: 宮崎義一,伊東光晴出版社/メーカー: 日本評論社発売日: 1974/07メディア: 単行本 クリック: 16回この商品を含むブログ (2件) を見る宮崎義一と伊東光晴が、ケインズの一般理論を読みながら放談するというぬるい構成の本。それぞれの章…

小島寛之「容疑者ケインズ」(プレジデント社):深く失望。

容疑者ケインズ (ピンポイント選書)作者: 小島寛之出版社/メーカー: プレジデント社発売日: 2008/08メディア: 単行本購入: 18人 クリック: 229回この商品を含むブログ (40件) を見る本書は、昔献本してもらったけどうっぱらってしまい、今回お勉強のために買…

宇沢弘文「ケインズ『一般理論』を読む」(岩波現代文庫)

ケインズ『一般理論』を読む (岩波現代文庫)作者: 宇沢弘文出版社/メーカー: 岩波書店発売日: 2008/08/19メディア: 文庫購入: 4人 クリック: 53回この商品を含むブログ (13件) を見る『一般理論』の解説としてはまとも。でも、これ読んで『一般理論』がわか…